
Canva商用利用ガイド|安心して使うための基礎知識
Canvaはクレジット表記も不要で誰でも簡単にデザインを作れる便利なツールですが、「商用利用しても大丈夫?」と不安を持つ方も多いでしょう。
基本的にCanvaは商用利用が可能ですが、利用規約は細かく定められており、ケースごとに条件が変わります。
正しいルールを理解しておくことは非常に重要です。
悪意がなくても規約違反をしてしまったり、著作権侵害や法的リスクに発展する可能性があるからです。
本記事では、Canvaの商用利用について
許可されているケース
禁止されているケース
注意が必要なケース
AI・音源・商標登録に関する注意点
を整理してわかりやすく解説します。
記事を読み終えたら、実際に利用規約も自分の目で確かめて安心してビジネスや販売活動にCanvaを活用してください。
まずは、安心して使えるケースから整理していきましょう。
※ 本ブログ記事の内容は、記事掲載時点の情報に基づいて記載されています。そのため、製品に関する情報については、アップデートなどにより現行の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
目次[非表示]
- ・Canvaで商用利用できるケース
- ・Canvaで商用利用が禁止されているケース
- ・最小限の加工について
- ・Canvaで作成したデザインの商標登録について
- ・Canvaの音源素材の利用について
- ・電子書籍やデジタル出版物でのCanva素材の利用について
- ・ブランドやキャラクターを含む素材の商用利用について
- ・トラブルにつながりやすい利用ケース
- ・AI生成コンテンツの商用利用(注意点あり)
- ・Canvaで規約に違反した場合の措置
- ・【FAQ】Canva商用利用に関するよくある質問
- ・Q. 自分のデザインが「オリジナル」と言える基準は?
- ・Q. 商用利用が許可されているかどうか迷ったら?
- ・Q. 他サイトの素材をCanvaにアップロードしてもいい?
- ・Q. AIで生成した画像を販売できますか?
- ・Q. Canvaで作ったロゴを商標登録できますか?
- ・まとめ
- ・参考ページ(エビデンス)
Canvaで商用利用できるケース
Canvaの利用規約に基づき、以下のケースでは商用利用が認められています。
ユーザーの立場、利用状況により条件が変わってきます。
自社のプロモーションや広報活動や社内業務に利用する場合
ホームページやSNS投稿
名刺・販促物(チラシ、ポスターなど)
プレゼンテーション資料や営業資料
広告やキャンペーン素材
店舗のPOP
など
クライアントワークでデザインを納品する場合(条件付き)
クライアントに向けたデザイン制作・納品は可能ですが、以下の条件を守る必要があります。
オリジナルデザインであること
1社専用のデザインとして納品する(同じものを複数クライアントに販売するのはNG)
契約を締結し、「権利移転の範囲」を明確にしておくこと
クライアントがCanvaの利用規約を守ることを確認する
納品形式は、PDFや画像、動画、Canvaリンクなど幅広く利用できます。ただし、クライアントが納品後に編集するかどうか、また有償コンテンツを含むかどうかによって条件が変わるため注意が必要です。

※参考※
Canva「コンテンツ使用許諾契約」 4A. クライアント向けデザインに関する追加権利 (https://www.canva.com/ja_jp/policies/content-license-agreement/)
Canvaヘルプセンター「Canvaを使って販売用のデジタルおよび物理的な製品をデザインする」 クライアント向けのデザイン作成
(https://www.canva.com/ja_jp/help/using-canva-to-create-products-for-sale/)
デザイン販売・配布(条件付き)
デザインテンプレートや電子書籍、招待状、命名書などを販売する場合は オリジナルデザインであること が条件です。
Canvaのテンプレートを無加工、または最小限の加工だけで再販するのは不可
Canva有償版の素材を含む場合は「Canvaテンプレートリンク*1」での共有のみ可能
(PDFや画像ファイルでの配布はNG)デジタルクリップアートとして素材を切り抜いて販売するのはNG

*1.テンプレートリンクとは
Canva プロ、Canva チームス、Canva エンタープライズ、Canva教育版、およびCanva for NPOのユーザーのみ利用できるURL共有方法です。
共有された相手はリンクを踏むとデザインファイルデータを編集することができます。
共有された相手が編集しても編集元のデータに影響はありません。
デザインテンプレートを配布する時に活用できる共有方法です。
ただし、テンプレートのリンク作成者が仕事用メールドメイン(@ company.comなど)を使用している場合は、共有された相手が同じドメインのリンク受信者で有料プランに登録されている必要があります。
※参考※
Canvaヘルプセンター「Canvaを使って販売用のデジタルおよび物理的な製品をデザインする」 認められていることと、認められていないこと
(https://www.canva.com/ja_jp/help/using-canva-to-create-products-for-sale/)
ちゃんと使い分けてる?Canvaの共有方法は全部で5パターン!
(https://www.youtube.com/watch?v=vo4mmJjXMFE)
グッズ販売(条件付き)
Tシャツやマグカップ、ポスター、ステッカーなどを販売することも可能ですが、条件があります。
デザインがオリジナルであること
テンプレートそのまま、または最小限の加工だけで販売はNG
素材をそのまま貼るだけではNG(単独利用とみなされる)
プリントサービスで「著作権者であること」を求められる場合は不可
テンプレートをそのまま、または最小限の加工だけで販売することはNGです。これはCanva公式ヘルプセンターの「Canvaを使って販売用のデジタルおよび物理的な製品をデザインする」にも明記されています。

公式のヘルプページにあるケーススタディも参考にしてみてください。
※参考※
Canvaヘルプセンター「Canvaを使って販売用のデジタルおよび物理的な製品をデザインする
販売用テンプレート
ポスター、マグカップ、Tシャツ、ステッカー、その他の印刷製品の販売
(https://www.canva.com/ja_jp/help/using-canva-to-create-products-for-sale/)
Canvaで商用利用が禁止されているケース
単一素材でダウンロード
素材やテンプレートを 無加工または最小限の加工で納品・販売・配布 すること
Canvaで作成したデザインを 商標登録 すること
Canvaの音源素材をテレビ・ラジオ・映画などの 従来型メディア広告に利用 すること
ストックフォトサイトやテンプレートマーケットで Canva素材を再配布 すること
LINEスタンプや電子データ素材としての販売
ブランドやキャラクターを含む素材の商用利用
最小限の加工について
Canvaの素材やテンプレートを 無加工のまま、または最小限の加工だけで販売・配布することはNG です。
「オリジナル作品」として成立するためには、複数の要素を組み合わせたり、自分の表現を加えたりする必要があります。
NGとなる例:
写真に枠を追加しただけ
写真をモノクロ加工しただけ
テンプレートの文字・写真を差し替えただけ

このような利用は「単独利用」「オリジナル作品ではない」とみなされ、販売・配布に利用することはできません。
詳細については、公式ページも参考にしてください。
※参考※
Canvaヘルプセンター「Canvaを使って販売用のデジタルおよび物理的な製品をデザインする」
認められていることと、認められていないこと ー 販売できるのはオリジナルデザインのみ
(https://www.canva.com/ja_jp/help/using-canva-to-create-products-for-sale/)
Canvaで作成したデザインの商標登録について
Canvaを使って制作したロゴやデザインは、商標登録することはできません。
これは、Canvaの写真・イラスト・アイコン・フォントなどの素材は「ライセンス利用」であり、利用者に独占的な権利が移るものではないためです。
たとえば:
Canvaのフォントで文字を打っただけのロゴ
Canvaのアイコンやイラストを含んだロゴ
Canvaのテンプレートをベースにしたロゴ
これらはいずれも 商標登録NG です。
もし商標登録を目指す場合は、白紙のキャンバスから自作の形・文字・色を組み合わせた完全オリジナルのロゴ を制作する必要があります。
※参考※
Canva公式ヘルプセンター「Canvaで作成したロゴの商標登録」
(https://www.canva.com/ja_jp/help/trademarks-logo/)
Canvaの音源素材の利用について
Canvaに含まれる音楽素材は商用利用が可能ですが、利用範囲には制限があります。
特に テレビ・ラジオ・映画などの従来型メディア広告 に使用することはできません。
利用できる場面:
YouTube動画(ただし著作権管理の仕組み上、コンテンツIDに検知される可能性あり)
SNS広告、オンライン配信
利用できない場面:
テレビCM
ラジオCM
映画や劇場上映用映像
YouTubeで使用する場合は、CanvaアカウントとYouTubeのアカウントを紐づけることで音楽著作権の異議申し立てを回避できます。
著作権管理システムに引っかかってしまった場合はCanva公式が案内している手順に従い異議申し立てを行う必要があります。
※参考※
Canva公式ヘルプセンター「コンテンツIDに関するよくある質問」
(https://www.canva.com/ja_jp/help/content-id-claim/)
Canva公式「YouTube著作権の基本」
(https://www.canva.com/ja_jp/learn/youtube-copyright/)
電子書籍やデジタル出版物でのCanva素材の利用について
Canvaで作成したデザインを電子書籍やオンライン出版物(ニュースレター、Webマガジンなど)に使用することは、一定の条件を満たせば商用利用が可能です。
ただし、利用範囲にはいくつかの重要な制約があります。
▼Canvaで電子書籍を制作する際のポイント▼
・オリジナルデザインであることが必須です。
既存のテンプレートをほとんど加工せずに使用したものや、単一の素材をページにそのまま配置しただけのものはオリジナル作品とはみなされません。
・Canva上でデザインされた出版物であること。
Canva有償版の素材を使用する場合は、電子書籍全体をCanva内でデザイン・組版する必要があります。
Canvaから素材をダウンロードして、他ソフト(IllustratorやInDesignなど)で編集することは認められていません。
・有償版コンテンツの未編集使用にはサイズ制限があります。
写真などの有償版素材を加工せずそのまま掲載する場合は、最大480,000ピクセル(例:800×600px)以内に収める必要があります。
これは、他の人が電子書籍から画像を抽出して再利用できないようにするための規定です。
・無料素材と有償版素材の組み合わせはOK。
Canva無料版の素材とCanva有償版素材を混在させてもOKです。ただし、全体としてオリジナリティのあるデザインになっていることが前提です。
※参考※
Canvaヘルプセンター「Canvaを使って販売用のデジタルおよび物理的な製品をデザインする」 デジタル電子書籍およびその他のオンライン出版物の販売
(https://www.canva.com/ja_jp/help/using-canva-to-create-products-for-sale/)
ブランドやキャラクターを含む素材の商用利用について
Canvaの素材には、ディズニーや「かいじゅうステップ」など特定ブランドと提携して提供されているもの があります。これらは多くの場合、商用利用が制限 されています。
また、Canva上にアップロードされている一部の素材に、意図せず有名キャラクターやブランドが含まれていることもあります。これは審査の限界によるもので、ユーザー側で利用を避ける必要があります。
ブランドやキャラクターが含まれる素材を利用したい場合は
素材に「ブランドコンテンツ」と表示されていないか確認する
商標権やライセンスが必要なケースでは利用を控える
サポートに問い合わせる
誤って利用すると商標権侵害になるリスクがあるため、商用利用では特に注意が必要です。
素材の「ブランドコンテンツ」を確認する方法


トラブルにつながりやすい利用ケース
規約に明記されていなくても、実際にはトラブルの原因となりやすい利用方法があります。
特に注意すべきなのは以下のようなケースです。
既存テンプレートを少し加工して「自分の実績」として公開すること
デザイン添削として既存テンプレートを“添削前”の例として使用・公開すること
Canvaのデザインテンプレートや素材は、提供したクリエイターに著作権が帰属しています。
そのため、たとえわずかに加工を加えただけであっても、自分のオリジナル実績として公開してしまうと 誤解や権利侵害につながるリスク があります。
また、添削やNG事例紹介のために「元のテンプレート」をそのまま利用すると、制作者の意図を損ねる形で利用してしまう可能性もあるため注意が必要です。
AI生成コンテンツの商用利用(注意点あり)
CanvaのAI機能(マジックスタジオなど)で生成した画像やコンテンツは、商用利用も可能ですが、規約で定められた禁止事項と注意点を理解しておくことが重要です。
CanvaのAIサービスに関する利用規約の共有および公開に関するポリシーの章では
“コンテンツがAIにより生成されたことを、すべてのユーザーが見落とすまたは誤解することのない方法で示す”
と規約に記載されています。
これは「AIによって生成された」と画像内に明記する必要はないものの、AIによって作成された事実を隠したり虚偽の表現をしないよう求められています。
広告で使用したり、AI生成した画像を共有・配布する場合は記事内や注釈のような形でAIによって生成されたという事実を開示しておくのが安全でしょう。
商用利用できる範囲
CanvaのAI生成物は、合法的な範囲であれば商用利用が可能です。
広告、SNS投稿、販促用のデザインなど、日常的なビジネス利用も含まれます。
禁止事項
AI生成物を「人間が作った」と誤認させること
医療、法律、金融などの専門的な助言や診断を目的としたコンテンツ作成
契約や法的拘束力を持つ文書の作成
政治キャンペーンや選挙関連のコンテンツ生成
スパム、ウイルス、有害プログラムの作成
わいせつ、暴力的、または不快なコンテンツの作成
注意点
著作権は取得できない:AI生成物に独占権や著作権はなく、「利用権」のみが付与される。
AI生成である旨の明示が必要:公開・共有時には「AI生成」とわかる形で表示する必要がある。
法的保護の曖昧さ:国によってAI生成物の法的地位が不明確で、特に販売ではリスクがある。
類似コンテンツのリスク:他人の著作物や商標に酷似した生成は、著作権や商標権の侵害となる可能性がある。
※参考※
Canva「AIサービスに関する利用規約」
(https://www.canva.com/ja_jp/policies/ai-product-terms/)
エンタープライズプランの場合
エンタープライズプラン(100名以上の契約)の場合は、CanvaAIセキュリティとしてCanvaマジックスタジオにおけるAI出力に関する法的リスクからの保護が受けられます。
エンタープライズプランの詳細については以下の記事をご参照ください。
⇒ Canvaエンタープライズプランの魅力とは?ビジネスに最適な機能を紹介
Canvaで規約に違反した場合の措置
Canvaの利用規約に違反した場合、以下のような措置が取られる可能性があります。単なる注意にとどまらず、アカウントの利用継続そのものができなくなるリスクがあるため注意が必要です。
アカウントの停止・削除
デザインの削除
法的措置や賠償請求の可能性
【FAQ】Canva商用利用に関するよくある質問
Q. 自分のデザインが「オリジナル」と言える基準は?
Canvaにある素材をただ配置しただけでは「オリジナル」とは認められません。複数の素材を組み合わせたり、色やフォント、レイアウトを工夫することで独自性を高める必要があります。
Q. 商用利用が許可されているかどうか迷ったら?
Canvaの「コンテンツ使用許諾契約」や「ヘルプページ」をまず確認しましょう。解釈に迷う場合はCanva公式サポートに問い合わせるのが確実です。
Q. 他サイトの素材をCanvaにアップロードしてもいい?
そのサイトの利用規約次第です。Canvaにアップロードした素材については、ユーザーが使用権利を持っている前提で扱われます。必ず利用規約を確認してから使用しましょう。
Q. AIで生成した画像を販売できますか?
CanvaのAI機能で作成した画像や動画は商用利用可能ですが、著作権を独占できるわけではありません。公開時は「AI生成」であることを明示し、販売時は法的リスクを理解したうえで行う必要があります。
Q. Canvaで作ったロゴを商標登録できますか?
Canvaのテンプレートや素材を使ったロゴは商標登録できません。完全オリジナルのデザインであれば可能ですが、独自性を強く出す工夫が必要です。
まとめ
Canvaは基本的に商用利用可能
ただし「禁止事項」「注意すべき行為」を理解することが必須
自社利用と販売・配布の条件は大きく異なる
不安な場合は 規約を確認&サポートへ問い合わせ が安全策
※参考※
Canvaヘルプセンター「規約とポリシーについて問い合わせる」
(https://www.canva.com/ja_jp/help/legal-form/)
本記事で紹介した注意点からわかるように、意図的か否かにかかわらず、問題のある使用によって法的リスクが発生する場合があります。商用利用に際してはルールを必ず確認し、適切な範囲内で使用することが非常に重要です。
『Canva相談センター』では、Canva製品に精通した専門コンシェルジュが導入に向けた無料相談を承っております。ビジネス版Canva導入をご検討中の担当者さまはお気軽にご相談ください。
問い合わせはこちらから >
参考ページ(エビデンス)
Canva公式 利用規約
https://www.canva.com/policies/terms-of-use/Canva コンテンツ使用許諾契約
https://www.canva.com/policies/content-license-agreement/Canvaを使って販売用のデジタルおよび物理的な製品をデザインする
https://www.canva.com/ja_jp/help/using-canva-to-create-products-for-sale/Canva 知的財産ポリシー
https://www.canva.com/policies/intellectual-property-policy/Canva AIサービスに関する利用規約
https://www.canva.com/policies/ai-product-terms/Canva プライバシーポリシー(AI関連)
https://www.canva.com/ja_jp/trust/privacy/- Canvaヘルプセンター「規約とポリシーについて問い合わせる」



