MBO（目標管理制度）とは？抑えるべき要点やシステム導入のメリットをご紹介

MBO（Management by Objectives）とは、経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱した目標管理制度であり、組織内で目標を明確にし、達成度を評価するための重要な仕組みです。
この記事では、MBOの基本的な要点やシステム導入のメリットについてご紹介しますので、目標管理に興味のある方や組織の効率化を図りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

MBOが現代に浸透した背景とは？

MBOが現代に浸透した背景はいくつかあります。

ひとつは、ビジネス環境の変化です。
ビジネス競争が激化し、スピードが加速する現代社会では組織が明確な目標を持ち、それを達成するための努力が求められます。MBOは、目標の設定と達成度の評価を明確にすることで、組織の方向性を統一し、成果を最大化する手段として注目されました。

もうひとつは、従業員のパフォーマンス管理の重要性です。
従業員の能力や成果を適切に評価し、適材適所の配置や報酬の公平性を確保することは、組織の成長と発展に必要不可欠です。MBOは、目標の明確化と評価基準の設定によって、従業員のパフォーマンスを客観的に評価する手法として、組織での導入が進んでいます。

また、情報技術の進歩もMBOの浸透に寄与しています。
クラウドベースの目標管理システムやデジタルツールの普及によって、目標の共有や進捗の可視化が容易になりました。これにより、組織内のコミュニケーションや協力がスムーズに行われ、MBOの効果を最大化できるようになりました。

MBOの基本的な流れは？

MBOでは、目標の設定から評価までのプロセスを適切に実施することで組織や個人の成果の最大化が期待できます。基本的な流れは以下のようになります。

目標の設定
目標を具体的かつ明確に設定することが重要です。
目標はSMARTの原則（Specific・ Measurable・ Achievable・ Relevant・ Time-bound）に基づく設定が求められます。

計画と実行
目標を達成するための具体的なアクションプランを策定・実行します。
個人やチームの役割や責任を明確にし、目標に向かって取り組みます。

進捗の管理
定期的に進捗を確認し、目標に対する進行状況を把握します。
進捗管理の手法やツールを活用し、目標達成に向けて適切な調整や改善を行います。

評価とフォロー
目標達成度を評価し、フィードバックや評価結果を従業員やチームと共有します。
達成度に応じて報酬やキャリアの成長に反映させることもあります。また、フォローアップのプロセスを通じて、目標設定やパフォーマンスの改善点を特定し、次の目標に向けてのサポートを行います。

MBOの期待される効果は？

MBO（目標管理制度）では従業員および管理者へのさまざまな効果が期待されます。

従業員への効果

セルフマネジメント力の向上
MBOでは、従業員が自ら目標を設定し、計画を立て実行することが求められます。このプロセスを通じて、従業員は自己管理能力を養い、自らの成長や目標達成に向けた能力を高めることができます。

モチベーションの向上
明確な目標を持ち、その達成に向けて取り組むことで、従業員は意欲ややる気を高めることができます。目標達成の達成感や報酬との関連付けによって、モチベーションが向上し、パフォーマンスの向上が期待されます。

管理者への効果

評価がスムーズになる

評価基準や目標設定が明確になり、評価対象者のパフォーマンスを客観的に評価することができます。評価プロセスが一貫して実施されることで、評価のためのデータ収集や面談の準備などがスムーズに行うことができ、評価の公平性や透明性が高まります。

個々と組織の目的意識の統一
MBOでは、目標が明確に設定され、それに向けて取り組むことが求められます。
従業員やチームは組織の目的や方向性に共感し、一体感を持つことで、組織全体の目標意識や方針の統一が期待されます。

MBOを成功させるために抑えるべき要点は？

MBOの効果を最大限に引き出すためは、以下の要点を抑えることが重要です。

明確かつ具体的な目標の設定
目標は明確かつ具体的であることが求められます。あいまいな目標では、従業員やチームが達成に向けて具体的なアクションを取りにくくなります。具体的な目標設定によって目標達成に向けた方向性を明確化することができます。

適正な難易度設定
簡単すぎる目標ではモチベーションが低下し、成果が出にくくなります。一方で、難しすぎる目標では挫折感やストレスが生じる可能性があります。そのため、適切な難易度設定によって、従業員やチームの意欲やパフォーマンスを引き出すことが重要です。

目標到達までのプロセスやアクションの具体化
目標を達成するためには、具体的なアクションプランやステップを設定する必要があります。具体的なプロセスやアクションを明確にすることで、目標達成に向けた計画の実行がスムーズに進むようになります。

定期的な振り返りやフォローアップ
MBOでは、定期的な進捗確認や評価が重要です。定期的な振り返りを通じて、進捗状況や課題を把握し、必要な調整や改善を行うことができます。また、フォローアップによって、従業員やチームのサポートやフィードバックを行い、目標達成に向けた支援を継続的に行うことができます。

MBOをシステム運用するメリットは？

MBOの運用が可能な人事評価システムの導入にはさまざまなメリットがあり、システム運用することで組織の成果やパフォーマンスの向上が期待できます。

業務の効率化
従来の手動での目標設定や評価プロセスに比べて、システムを利用することで目標の設定や進捗管理・評価のプロセスがスムーズに行えます。これにより、時間や手間を省くことができ、業務の効率化が図れます。

業務の自動化
目標の設定や進捗の自動通知・評価結果の自動集計など、煩雑な手作業をシステムが代行することができ、従業員や管理者はより効率的に業務に取り組むことができます。

データの一元管理が可能
一般的な人事評価システムでは目標や評価結果・進捗状況などのデータを一元的に管理することができます。これにより、組織全体での情報共有や分析が容易になり、効果的な意思決定や戦略立案が可能となります。

おすすめの人事評価システム

ここまで、MBOを運用する様々なメリットについてご説明しましたが、市場には様々な人事評価製品がございます。テンプレートが充実しているもの、カスタム性の高いもの、または権限設定は柔軟なものなど、様々なものがございます。それでは、ここからはCloud Service ConciergeでおすすめのMBOが可能なクラウド型人事評価システムについてご紹介いたします。

HRBrain

HRBrainは、人事評価業務に携わったことがない業務担当者の方でも簡単で使いやすいように設計された顧客満足度No1のタレントマネジメントシステムです。
MBOをはじめとした様々なテンプレートがある為、自社の運用に沿った評価シートを作成することができます。人事評価制度そのものを見直したいといった場合は、自社によるコンサルティングサービスをご提供しております。
タレントマネジメント以外にも、労務管理やAIチャットボットといった、人事労務のDX化を促進させることができるサービスや離職防止のサーベイも展開しております。
また、HRBrainは機能の切り売りが可能な製品となります。

カオナビ

カオナビは、業界シェアNo1のタレントマネジメントシステムです。
組織の人材配置や基本的な人事評価機能はもちろん、人件費のシミュレーションであったり、LMS機能 、また、エニアグラム診断といったその時代のニーズに沿った様々な用意されている多機能なタレントマネジメントシステムです。職種や等級に合わせたカスタマイズ性の高い評価シートの用意があり、それらはMBO評価テンプレートがベースとなっておりますので、よりMBOの運用を開始しやすいサービスです。また、シェア率の高い製品ということもあり、連携できる製品が非常に充実しているというのも特長の1つです。

SmartHR

SmartHRは、5年連続シェアNo1の人事労務クラウドであり、使いやすさNo1のタレントマネジメントシステムです。
労務管理を行なう上で必要な人事情報を一元管理し、その情報を元にタレントマネジメントに必要なサーベイを実施したり、分析することが可能です。分析レポートは、組織のいまの把握や改善につなげる為のプリセットレポートが用意されている為、労務・人事といった業務に携わったことがない従業員でもスムーズに使う事ができます。
MBOについても、他製品と同様で予めはじめやすいように評価シートが用意されております。MBOだけでなくOKRにも活用できる為、スキルの成長や従業員のモチベーションの向上などにご活用いただける製品です。

タレントパレット

タレントパレットは、大手実績No1のタレントマネジメントシステムです。
導入の傾向としては大企業様向けの製品で、スキルや経歴、評価といった人材における様々な履歴を時系列で把握することが可能です。また、人事評価の他にも、採用管理や人事FAQ、災害発生時に活用いただける安否確認といったオプションが充実しているのも特長です。
MBOに活用できる各評価シートは、項目が自由に設定可能で、評価の四則計算やランクなども設定が可能です。評価シートの柔軟性が高く、1枚の評価シートに複数のテンプレートの登録をすることも可能で、管理画面では職種や等級といった情報を基にテンプレートの出し分けをし、評価フローを容易に構築することが可能です。

まとめ

この記事ではMBOの要点やおすすめ製品を紹介しました。
MBOの運用をシステム化することで業務効率化や管理者の負担軽減にも繋がります。
ご紹介したおすすめの人事評価システムは、SB C&Sが運営する『Cloud Service Concierge』でお取扱いのある製品です。
もしご興味をお持ちいただけましたら、Cloud Service Conciergeへお気軽にご相談ください。
『Cloud Service Concierge』では、SaaSに精通した専門コンシェルジュが導入に向けた無料相談を承っております。