
Zoom Phoneの使い方完全ガイド|基本設定から通話・転送まで徹底解説
Zoom Phoneは、Zoom Workplaceのプラットフォーム上で提供されるクラウドPBXサービスです。
物理的な機器や回線工事が不要で、パソコンやスマートフォンから手軽に発着信でき、テレワーク環境にも対応した柔軟な電話業務を実現します。
本記事では、Zoom Phoneの基礎知識からZoom Phoneの基本的な使い方までを順を追って解説します。
導入をご検討の方はぜひご一読ください。
目次[非表示]
Zoom Phoneとは
この章では、Zoom Phoneの基本的な仕組みと機能について解説します。
Zoom Phoneの基本的な仕組み
Zoom PhoneはインターネットとIP技術を活用したクラウドPBXサービスです。
固定電話番号を取得して、PCやスマートフォンから発着信できます。
従来のPBXが必要とした専用機器や回線工事が不要なため、迅速な導入と柔軟な運用が可能です。
Zoom Workplaceアプリに統合されているため、会議やチャット、電話を1つのアプリで完結できます。
これまで複数のツールを使い分けていた業務が一本化され、アプリを切り替える手間もなくなります。
普段使用しているZoomの操作画面から、そのまま電話をかけたり受けたりできる点も大きな特徴です。
管理者はウェブポータルから、ユーザーや番号の追加・削除・権限管理を一括で実施できます。
例えば、部署の異動や新入社員の受け入れ時も、Zoomウェブポータルでの操作だけで完了するため、IT担当者の運用負荷が軽減されます。
【Zoom Phoneの基本的な仕組み】
Zoom Phoneで利用できる主な機能
Zoom Phoneには多彩な機能が搭載されています。
各機能について解説します。
1. 高度なコールハンドリング(電話制御)
ビジネスフォンで必須とされる発着信、保留、転送(ブラインド転送※1、相談転送※2)、コールパーク※3などの機能を標準搭載しています。
直感的なインターフェースにより、従来の物理的な電話機からクラウド環境への移行後も、現場の混乱を最小限に抑えた運用が可能です。
※1 ブラインド転送:受信者と会話をせず、ダイレクトに転送先に転送する機能。
※2 相談転送:転送元が転送先の相手と先に通話して相談・確認を行い、その後に顧客との通話をつなぐ転送方法。打診転送(取次転送)とも言われる。
※3 コールパーク:Zoom Phoneユーザーは通話を保留にし、別のZoom Phoneユーザーが任意の電話機またはデスクトップクライアント/モバイルアプリから通話を再開することができる機能
2. ボイスメールとAIによる文字起こし
応答できなかった電話はボイスメール(留守番電話)で自動録音されます。
録音内容はAIが即座にテキスト化し、Zoomアプリやメール、Slack等へ通知します。
また、会議中や移動中など、音声を聞けない状況でも内容をテキストで把握できるため、折り返しの優先順位に役立ちます。
3. 全通話録音と管理機能
コンプライアンス遵守や「言った、言わない」などのトラブル防止のため、全通話を自動で記録し保存できます。
録音データはクラウド上に保管され、管理者は後から検索や再生が可能です。
通話品質のモニタリングや、新人教育のためのスクリプト改善にも活用できます。
4. 自動応答(IVR)とコールキューイング
「お電話ありがとうございます。営業窓口は1番を…」といった多階層※4の音声ガイダンス(IVR)を容易に構築できます。
また、着信をチーム全員で共有する「コールキュー」※5機能により、特定の担当者に負担を集中させず、効率的な受電体制を整えることができます。
※4 多階層:ガイダンスが一度で終わらず、プッシュ操作に応じてさらに詳細な選択肢(分岐)が表示される構造のこと。
※5 コールキュー:コールセンターや代表電話で、着信した電話を順番待ちの列(キュー)に入れ、空いたオペレーターから先着順に繋ぐ仕組みのこと。
5. Zoomプラットフォームとのシームレスな統合
Zoom Phoneで通話中に「Zoom Meetings(ビデオ会議)」に切り替えて、画面共有を開始することが可能です。
また、共通の連絡先(電話帳)からチャット、電話、ビデオ会議をシームレスに使い分けられるため、社内外のコミュニケーションが統合されます。
対応デバイスとプラン
Zoom Phoneは、PC(Windows・Mac)やiOS・Androidスマートフォン、Zoom認定のIP固定電話など、複数のデバイスで利用できます。
また、同一アカウントで複数デバイスにログインしておけば、通話中にデバイスを切り替えることも可能です。
日本国内では、市外局番(0ABJ番号)の新規取得や番号ポータビリティ(NP)に対応しています。
これまで使用していた電話番号をそのままZoom Phoneに引き継げるため、顧客や取引先への番号変更通知が不要で、移行をスムーズに進められます※6。
既存のZoomアカウントにZoom Phoneライセンスを追加する形で導入します。
すでにZoom Meetingsを利用している組織はもちろん、Zoom Meetingsを使っていない場合でも単独で導入することが可能です。
※6 一部のエリアや、元々の電話番号の「発行元」などによって制約があるためご確認ください。
【Zoom Phoneのプランとハイライト機能】
※2025年6月時点でのプランとハイライト機能です。最新の提供内容は販売窓口またはZoom公式情報をご確認ください。
Zoom Phoneの初期設定
Zoom Phoneを使い始めるには、管理者によるライセンス付与と基本設定が必要です。
この章では、アカウントの準備からアプリ上の設定完了までの手順を解説します。
管理者側の初期設定
Zoomウェブポータルにサインインし、「電話システム管理」からZoom Phoneを有効化します。
有効化後、ユーザーにZoom Phoneライセンスを割り当てると、内線番号が付与され、対象ユーザーへ利用開始に関する通知メールが自動送信されます。
電話番号の取得方法には、「既存番号の移行(番号ポータビリティ)」と「新規番号の取得」の2種類があります。
業務継続性を重視する場合は既存番号の移行を、新たに番号を用意する場合は新規取得を選択します。
なお、番号ポータビリティの対応状況は移行元のプロバイダーによって異なるため、事前に確認が必要です※7。
どちらの方法もZoomウェブポータルから申請・管理が可能です。
内線番号やコールキュー、営業時間外の転送先など、組織の運用に合わせた詳細設定もすべてZoomウェブポータルの画面から一括で行えます。
専門的な機器設定やネットワーク工事が不要なため、IT担当者の少ない中小規模の組織でも導入しやすいでしょう。
※7 出典:0ABJ番号の電話番号ポータビリティ申請(日本)|Zoomサポート
ユーザー側のアプリ設定
Zoom Workplaceのアプリ(PC・スマートフォン)をインストールしてサインインすると、電話タブが自動的に表示されます。
管理者がライセンスを割り当てた時点でアプリ側の準備も完了しているため、ユーザーが特別な設定をしなくてもすぐに発着信できる状態になります。
着信音やボイスメールのグリーティングメッセージや応答不可モードは、アプリ内の「設定」にある「電話」から各ユーザーがカスタマイズできます。
自分の業務スタイルに合わせて細かく調整できる点は、現場での定着につながる重要な要素です。
スマートフォンでも、Zoom Workplaceアプリをインストールし、同じZoomアカウントでログインするだけで利用を開始できます。
外出先や在宅勤務中でもオフィスの電話番号で発着信できるため、場所を選ばない電話環境が整います。
発信者番号やビジネスアワーの設定
発信時に相手の画面に表示される番号(発信者番号)は、Zoomウェブポータルで付与された番号の中から、管理者の設定に応じてユーザーが選択できます。
営業担当者が代表番号を使用して発信する設定にしておくと、顧客が折り返した際にも適切な窓口へつなぎやすくなります。
また、ビジネスアワー(営業時間)を設定しておくと、時間外の着信をボイスメールや別の転送先へ自動的に振り分けることができます。
深夜や早朝の着信も設定に従って処理されるため、個別対応の負担軽減につながります。
休日設定もポータルから事前に登録できます。年末年始や祝日の対応ルールをあらかじめ組み込んでおくことで、設定変更を忘れたまま休日を迎えるといったミスを未然に防ぎます。
Zoom Phoneの基本操作と業務での使い方
Zoom Phoneの設定が完了すると、日常業務の中で電話の発着信や転送、ボイスメールの確認などをアプリ上で行えるようになります。
この章では、実際の業務で頻繁に使用する基本操作を中心に解説します。
発信・着信・保留の操作
発信するには、アプリのダイヤルパッドに番号または内線番号を入力するか、連絡先やディレクトリから発信先を選択します。
Zoom Workplaceに登録されている連絡先であれば、連絡先一覧から名前を選択して直接発信することもできます。
着信時にはアプリ上に通知が表示され、「応答」「拒否」「ボイスメールへの転送」を操作で選択できます。状況に応じて迅速に対応を切り替えられる点が特徴です。
通話中の保留はアプリ上のボタンで操作できます。保留中は相手に対して保留音が再生されるため、相手を長時間無音で待たせることがありません。
通話の転送とコールパーク
通話中に「転送」ボタンを押し、転送先の番号や内線を入力することで通話を引き継ぐことができます。
転送には、即座に接続する「ブラインド転送(直接転送)」と、事前に転送先へ確認してから接続する「アテンデッド転送(打診転送)」があり、状況に応じて使い分けが可能です。
コールパーク機能を使うと、進行中の通話を一時的に「パーク」状態にして保留しておき、同じオフィス内の別のデバイスや担当者が任意のタイミングで引き継いで応答できます。
フロア内での取り次ぎ業務をスムーズに処理できるため、受付や代表窓口の対応に役立ちます。
コールキュー※8を設定すると、代表番号へ寄せられる複数の着信を順番に担当者へ振り分けられます。
特定の担当者に着信が集中することを防ぎ、チーム全体で均等に対応できる体制が構築できます。
※8 アカウント所有者および管理者は最大 50 人のメンバーを登録できる。また、通話キューの設定を変更したり、通話キューの通話を監視したりすることも可能。
ボイスメールの確認と管理
不在着信があると、電話タブの「ボイスメール」に録音が保存されます。
音声再生とあわせて自動生成されたテキストの文字起こしも確認できるため、メッセージの内容を迅速に把握できます。音声を最後まで再生しなくても要点を確認できるため、業務の効率化につながります。
ボイスメールはメール通知と連携させることもできるため、受信したメッセージをメール上で確認したり再生したりできるよう設定しておくと、アプリを開かずに内容を確認できます。
また、Zoom Phone AI Companion※9を活用すると、ボイスメールの優先順位付けや対応タスクの自動抽出も可能です。
大量のボイスメールが届く環境でも、重要度の高いメッセージから効率よく処理できるようになり、対応漏れのリスクを大幅に減らせます。
※9 Zoom Phone AI CompanionはZoom Phoneライセンス、またはZoom Workplace(プロ、ビジネス、エンタープライズ)の有料プランに契約しているユーザーは、追加料金なしで利用可能。
Zoom PhoneをZoom Workplaceと組み合わせて使う
Zoom Phoneは、Zoom Workplaceの一部として提供されるクラウド電話システムであり、Zoom MeetingsやZoom Team Chatとシームレスに連携することで、コミュニケーションの集約と業務効率化を実現します。
通話からZoom Meetingsへのシームレスな切り替え
通話中に「ビデオに切り替え」ボタンを押すだけで、進行中の電話をZoom Meetingsのビデオ通話へ切り替えができます。
相手の同意のもとで画面共有や資料確認もその場で行えるため、電話で始まった商談や問い合わせ対応を、そのままビデオ会議へ発展させることができます。
電話とミーティングが1つのアプリで完結するため、「URLを送って会議を設定し直す」という手間がなくなります。
顧客対応の場面では、この一連のスムーズさがそのまま対応品質の向上につながります。
電話で概要を確認してからビデオに切り替えるフローが定着することで、必要性の低い会議を事前に電話で絞り込むことができるため、ミーティングの設定数を適切にコントロールすることも可能です。
Zoom Team ChatとZoom Phoneの連携
着信や不在着信、ボイスメールの通知をZoom Team Chatのチャンネルと連携させることで、チーム全体がリアルタイムに電話の状況を把握できます。
担当者が対応中や不在の場合も、チームがすぐに状況を理解できるため、迅速なフォロー対応につなげることが可能です。
通話履歴や録音データをZoom Team Chat上で共有することもできます。
担当者が不在のときでも他のメンバーが状況を確認して対応できる体制を整えられるため、電話対応の属人化を防ぎやすくなります。
Zoom Workplaceアプリ内でZoom Team ChatとZoom Phone、Zoom Meetingsが一元化されていることで、コミュニケーションチャネルをまたいだ情報の分散を防止できます。
「電話では話したものの、チャットでは共有されていない」という状況が起こりにくくなることは、チームの情報共有の質を高めることにつながるでしょう。
Zoom PhoneとCRM・SFAの連携
SalesforceやHubSpotなど主要なCRMとの連携により、着信時に顧客情報を自動表示するCTI機能※10を実現できます。
電話を受けた瞬間に相手の取引履歴や担当者情報が画面に表示されるため、確認作業なしに個別対応が可能になります。
通話記録・録音・メモがCRM側に自動で登録されるため、営業担当者が通話のたびに手動で活動履歴を入力する手間を減らせます。
入力の抜け漏れも防げるため、データの正確性も向上するでしょう。
顧客とのすべての電話接点がCRM上で可視化されることで、商談の抜け漏れや対応状況の属人化を防止できます。
チーム全体で顧客情報を一元管理や共有できる体制が、応対品質の改善と業務効率化を両立させます。
※10 CTI:Computer Telephony Integrationの略。電話やFAXとコンピュータ(顧客管理システム等)を連携させる技術・システムのこと。
まとめ
Zoom Phoneは、クラウド上で動作するPBXサービスとして、場所やデバイスを選ばない柔軟な電話環境を実現します。
管理者の初期設定からユーザーの日常操作まで、Zoom Workplaceアプリに統合された直感的な操作性が特徴であり、従来のオフィス固定電話と同等のコールハンドリングをクラウドで完結できます。
Zoom Phoneの導入や運用設計にあたっては、業務フローや組織体制に応じた最適な設定が重要です。
本記事を参考にご検討いただき、ご不明点や具体的な活用方法についてはお気軽にお問い合わせください。
「固定電話のお悩みを解消! Zoom Phoneの特徴や機能」|Zoom相談センター
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