電子帳簿保存法改正で領収書の管理はどうなる?領収書の電子化で経理が変わる!
※最終更新:2023/07/05
「電子帳簿保存法」の改正により、2024年1月より電子取引における電子データ保存の義務化が開始となります。
参考:国税庁「電子帳簿保存法の内容が改正されました~令和5年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しの概要~(令和5年4月)」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0023003-082.pdf
電子取引における電子データ保存の義務化は、主に請求書の対応が注目されていますが、領収書もデータで授受することにより「電子取引」となりますので、企業としては適切な対応が求められます。
本記事では経費計算で扱いに困りがちな『領収書』に注目し、領収書を電子化する際のメリットとデメリットを中心に、電子化するために最適なおすすめの経費精算システムも併せてご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.電子取引における電子データ保存の義務化とは?
- 2.領収書を電子化するメリットとは?
- 2.1.管理コストの削減
- 2.2.検索作業の効率化
- 2.3.経費精算手続きのデジタル化
- 3.領収書を電子化するデメリット
- 3.1.電子化システムを導入する手間と費用
- 3.2.電子化に対応不可の書類
- 4.おすすめの経費精算システムは?
- 4.1.ペーパーレス化に向けた対応チェックポイント
- 4.2.経費精算システムラインナップ
- 4.3.ジョブカン経費精算
- 4.4.マネーフォワードクラウド経費
- 4.5.楽楽精算
- 4.6.ジンジャー経費
- 5.まとめ
電子取引における電子データ保存の義務化とは?
電子帳簿保存法とは、原則「紙媒体での保存」が義務化されている帳簿書類について、条件付きで「電子データ保存」を認め、電子取引をした際のデータの保存を義務化することを定めた法律となります。
電子帳簿保存法における領収書の扱いについて、以前までは紙で受け取った領収書を電子化する場合、3営業日以内にタイムスタンプを付与する必要がありました。
この要件が法改正による「スキャナ保存時のタイムスタンプ要件の緩和」により、最長で「約2カ月と7日以内」に変わり、タイムスタンプが付与されていれば、原本を破棄できるようになりました。
紙の保存や管理が大変だった領収書の扱いにおいて、大きな変化と言えます。
しかし、一方で強化された要件として、電子取引では紙媒体での保存が禁止となり、電子データでの保存が義務化されました。
そのため、領収書においても、データで受け取ってしまうと電子取引の対象となり、電子取引制度の要件を満たす必要があります。
領収書を電子化するメリットとは?
経費精算において領収書は必須書類となりますが、領収書の扱いは経理業務において手間のかかる作業のひとつと言えるでしょう。
そんな領収書を電子化することにより、経理業務への効果はどうなるでしょうか。
以下にメリットをまとめました。
管理コストの削減
領収書の保管期間は法人税法で、原則として「領収書を受け取った事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間」となります。
通常、領収書を紙媒体で保管する場合、専用のファイルと保管場所を用意する必要がありますが、
電子帳簿保存法の要件のひとつである「スキャナ保存制度」の要件を満たして電子化することで、電子データが保存対象となり、紙媒体の原本は破棄することが可能となります。
そのため、専用のファイルや保管場所の確保が不要となり、保管用の事務用品の購入や整理作業に関わる人件費など様々な費用を削減することができます。
また、紙媒体で保存する際の劣化や破損、紛失といったリスクも軽減できます。
検索作業の効率化
いままでも、紙の書類を探す場合、目当ての書類を探すには、紙媒体を保管しているファイルのページを1枚1枚探していく他ありません。それも、探す対象のファイルが複数あればあるほど相当な時間の消費となります。
領収書をデータ保存することで、領収書に紐づく発行日や発行者など、指定した検索項目で簡単に調べることができますので、作業の大幅な効率化が見込めます。
経費精算手続きのデジタル化
領収書のデータ保存の要件を満たすことができれば、新たに提出される領収書を紙ではなく電子データで申請する仕組みを併せて導入することで、経費精算の業務もデータでの確認や承認作業が可能となります。
また、電子データでの申請は申請者が紙の領収書をスマートフォンで撮影する手順にすることで、経理業務担当者がスキャンする作業を削減できます。
更に、申請者がどこにいても経費精算の手続きを行うこともでき、領収書の破損や紛失のリスク軽減にもつながります。
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領収書を電子化するデメリット
領収書の電子化に伴い、コストの削減や管理の効率化を図ることは大きなメリットでもありますが、今までの作業フローの変更や電子化するためのシステム導入に伴うデメリットももちろん考えるべき点となります。
作業フローの変更やシステム導入は会社全体で取り組む必要のあるものです。
実際に導入した場合に発生するデメリットもよく理解したうえで進めるようにしましょう。
電子化システムを導入する手間と費用
領収書の電子化を遂行するには、スキャナや電子データを保管するシステムの導入が必要となります。
そのため、製品にもよりますが初期費用が必要な場合が多くあります。
また、システム導入後、スムーズに使用するための教育が必要になり、担当する人数分だけ教育コストが発生するでしょう。
ただ、初期段階にコストがかかるとはいえ、どのようなシステムを導入した場合でも、初期費用はほとんどの場合で必要となるものです。
そのため、設備投資として考え、導入後のコスト削減量と比較することで、どちらがメリットになるかを検討いただくと良いでしょう。
電子化に対応不可の書類
電子で受け取った帳票データを保存する場合は、以下の法的要件を満たすことが必要です。
参考:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0022001-105.pdf
国税庁が提供している資料を参考に規定を備え付けて運用したり、ファイル名や索引簿を作成することで企業ごとに設定し、対応することは可能です。
しかし、膨大な量の帳票を管理している企業では、人力での対応には限界があります。
また、要件に対応する書類に修正するまでの時間も必要になるでしょう。
ただ、上記のデメリットは、運用に合った経費精算システムを導入することで、軽減できます。
次の項目でご紹介させていただくシステムについてもご検討の一助としていただければ幸いです。
おすすめの経費精算システムは?
ここまで、領収書の電子化におけるメリットとデメリットについてご紹介してきました。
では、実際どのようにすれば領収書の電子化が可能となるのか、どのような仕組みを導入すれば、作業効率化が図れるのかを検討される方向けに、まずは書類のペーパーレス化に向けての確認ポイントをご紹介をいたします。
ペーパーレス化に向けた対応チェックポイント
電子帳簿保存法の対応に加えて、以下のような項目も製品選定のポイントとなりますので、製品導入前にはぜひご確認ください。
経費精算システムラインナップ
一口に経費精算システムと言っても、様々な特徴を備えた製品が数多く存在します。
今回はその一例を簡単にご紹介させていただきます。
ジョブカン経費精算
≪「使いやすくて高機能で安い」という優れたコストパフォーマンス≫
『ジョブカン経費精算』は、使いやすく簡単でシンプルな画面構成や、豊富な機能で様々な企業に適した運用が可能です。
また、初期費用が掛からず、月額固定費も発生しないため、業界最安クラスの製品となります。
既に紙媒体で作成されている国税関係書類を、スキャナやスマートフォン等で読み取って保存する場合に適した製品となっており、簡単なデータ化が見込めます。
タイムスタンプオプションを併せてご利用いただくことで、アップロード時に自動的にタイムスタンプも付与され、電子帳簿保存法にも対応が可能です。
マネーフォワードクラウド経費
≪ユーザー支持率No.1!!≫
『マネーフォワード経費』は、ユーザー支持率No.1の実績のあるクラウド型経費精算システムです。
申請者も承認者も社内や自宅、外出先を問わず、ご利用いただけます。
マネーフォワード経費の大きな特徴であるオートメーション機能は、経費申請時に明細や領収書のデータを3,500以上の連携サービスから自動で取得し、一度連携することでその後は自動入力が可能となる機能です。
精密性の高い自動入力機能で、入力ミスや差し戻しの手間を軽減することが可能です。
楽楽精算
≪導入実績1万2000社以上!≫
『楽楽精算』は導入実績No.1(※1)のクラウド型経費精算システムです。
電子帳簿保存法にも対応しており、領収書をスマートフォンで撮影したり、複合機からスキャンしたデータを楽楽精算にアップロードしたりすることで金額や取引先などがデータ化されます。
入力画面や経費の申請ルールの設定等細部に渡るカスタマイズができ、かつ初期設定期間においては導入企業様に対して1名専属のサポート担当が就くため、オーダーメイド感覚でご利用いただくことができるシステムです。
※1:デロイト トーマツ ミック経済研究所「電帳法対応進むクラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2021年6月号: https://mic-r.co.jp/micit/)より
ジンジャー経費
≪使いやすさ・サポート満足度No.1≫
『ジンジャー経費』は、申請書や領収書の管理、申請の確認や差し戻しのコミュニケーションもオンライン上で完結することができる製品です。
専用アプリを導入することで、AI-OCR読み込み機能をご利用いただけますので、領収書やレシートの写真を撮るだけで、データ化された情報を申請に反映させることが可能になります。
また、経費精算に特化した様々な機能を備えていますので、よりスムーズな作業が可能となります。
※「≪使いやすさ・サポート満足度No.1≫」の提供元は、ゼネラルリサーチです。
ジンジャーサービスサイト:https://hcm-jinjer.com/keihiseisan/
まとめ
本記事では、経費精算における必須資料となる「領収書」に注目して、これからの取り扱い方と経理業務の手助けとなる製品のご紹介をさせていただきました。
現在(2023年7月)はまだ電子帳簿保存法の改正法施行までの猶予期間となります。扱いが難しい「領収書」に関する業務をより効率的に、かつ改正法にも適した運用に役立てていただけましたら幸いです。
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