働き方改革とはなにか?背景から重要なポイントまでをわかりやすく解説!
現在、日本では従業員に過度な負担をかける長時間労働や、少子高齢化による生産年齢人口の減少、個人のワークライフバランスとの両立の難しさなどの労働問題に直面しています。
そこで、働く人々がそれぞれの事情に応じた多様で柔軟な働き方を選択できるよう、推進されているのが働き方改革です。その中で、さまざまな法律が2019年4月より順次施行されています。
しかし、この働き方改革は労働基準法や労働安全衛生法など複数の法律にまたがっているため、複雑でわかりにくい面があります。本記事では、働き方改革の目的や背景について解説していきます。
目次[非表示]
- 1.働き方改革とはなにか
- 1.1.長時間労働
- 1.2.少子高齢化による生産年齢人口の減少
- 1.3.労働生産性の低下
- 2.働き方改革の重要なポイント
- 2.1.労働時間の見直し
- 2.1.1.時間外労働時間の上限を規制
- 2.1.2.勤務間インターバル制度の導入促進
- 2.1.3.年5日の有給取得義務化
- 2.1.4.客観的な労働時間の状況の把握
- 2.1.5.フレックスタイム制の拡充
- 2.1.6.「高度プロフェッショナル制度」の導入
- 2.2.雇用形態による待遇格差の改善
- 3.働き方改革において企業がすべきこと
- 3.1.正確な労働時間を管理する
- 3.2.適正な管理のためのシステム活用
- 4.働き方改革を推進する勤怠管理システム4選
- 4.1.KING OF TIME
- 4.2.ジンジャー勤怠
- 4.3.マネーフォワード クラウド勤怠
- 4.4.ジョブカン 勤怠管理
- 5.まとめ
働き方改革とはなにか
働き方改革とは従業員の生産性と労働条件を改善し、多様な働き方を選択できる社会を実現することを目的としています。
以下のような取り組みを企業が実施することにより、従業員のワークライフバランスの向上やストレスの軽減、生産性の向上などが期待されます。また、女性やシニア、障がい者など多様な人材の活躍の促進にも繋がるとされています。
- フレックスタイム制度やテレワークなど、柔軟な働き方の促進
- 長時間労働の是正、労働時間の短縮、休暇制度の充実
- キャリアアップ支援、スキルアップ支援など、従業員の能力開発の支援
- 働き方改革に取り組む企業や団体に対する支援策の充実
- 働き方改革が推進されている背景
働き方改革が推進されている背景としては、長時間労働や少子高齢化による生産年齢人口の減少・労働生産性の低下があげられます。次から順に説明いたします。
長時間労働
日本では週休 2日制の普及や短時間労働者の増加を背景として労働時間は減少傾向となっていますが、それでもまだ世界と比べると労働時間は長い傾向にあると考えられます。
それには一人一人の業務量の多さや人手不足であったり中には残業代をもらうために長時間労働をするケースもあります。
労働時間が長いことにより引き起こされるリスクは、過労死やうつといった健康上の影響であったり離職率が高くなるといったことが考えられます。また、労働生産性の低下にもつながります。
画像引用元:独立行政法人 労働政策研究所・研修機構『データブック国際労働比較2023』
少子高齢化による生産年齢人口の減少
日本の人口は近年、減少局面を迎えており、2065年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は 38%台の水準になると推計されています。総務省の令和4年版情報通信白書によると、生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれています。
生産年齢人口が減少すると、労働力不足や経済規模の縮小などといった、様々な社会的・経済的課題が深刻化すると懸念されています。
画像引用元:内閣府 令和4年版高齢社会白書
労働生産性の低下
労働生産性とは労働者1人あたりまたは1時間あたりの生産量を数値化したものです。
労働生産性を算出することで、1人の労働者がどれくらいの利益を生み出したのかを数値で表せます。
日本の労働生産性が上がらない理由は、長時間労働や業務の属人化などが理由としてあげられます。
これらを解消することにより労働生産性が向上すれば、企業は利益増加や、人材不足の解消・コスト削減が期待できます。
また、従業員満足度が上昇するにつれ、顧客満足度も上がっていき、良い循環が得られると考えられます。従業員としては賃金改善やワークライフバランスとの両立が叶えられる、といったメリットがあります。
働き方改革の重要なポイント
働き方改革を推進していくために重要なポイントは、労働時間の見直しと雇用形態による待遇格差をなくすことです。この2つのポイントを詳しく説明します。
労働時間の見直し
働き過ぎを防止しながら、ワークライフバランスを充実させ、多様で柔軟な働き方を実現するためには7つのポイントがあります。
時間外労働時間の上限を規制
厚生労働省によって、時間外労働の上限規制が導入されています。(⼤企業︓2019年4⽉から、中⼩企業︓2020年4⽉から)
臨時的な特別の事情がない場合は原則として、月45時間・年360時間が上限となります。
勤務間インターバル制度の導入促進
1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設け、必ず一定の休息時間を取れるようにします。
年5日の有給取得義務化
1年で10日以上有給を付与される従業員に対して5日間の年次有給休暇の取得を企業に義務づけます。
月60時間を超える時間外労働の割増賃金率引き上げ(25%→50%)
中小企業で働く人にも適用します。(大企業は平成22年度~)
客観的な労働時間の状況の把握
働く人の健康管理を徹底し、管理職や裁量労働制適用者も対象とします。
フレックスタイム制の拡充
子育て・介護しながらでも、より働きやすくします。
「高度プロフェッショナル制度」の導入
一定の年収以上かつ特定の高度専門職のみが適用対応となっており、専門的な職業の方の 労働生産性向上やライフワークバランスの実現、社員の不公平感の是正を実現させます。
雇用形態による待遇格差の改善
正規・非正規の間の不合理な待遇格差は社会問題になっています。
「同一労働同一賃金」が謳われている今、どのような雇用形態を選択しても、待遇に納得して働き続けられるよ うにすること。そして多様で柔軟な働き方を選択できるようになることが求められています。
働き方改革において企業がすべきこと
働き方を推進するためには労働時間を見直し、長時間労働の解消をすることがポイントであると説明いたしました。また企業は多様な働き方が広がる中、正規・非正規の間の待遇差について説明を要求されることがあるかもしれません。その際には労働日数や労働時間の差など、合理的な説明ができるようにしておく必要もあります。そのために企業は、従業員の正確な労働時間を把握をすること、そして規定を守れているか、法対応がしっかりなされているかの管理が大切となってきます。
正確な労働時間を管理する
正確な労働時間の管理をする上で必要なことは、労働時間や休暇の管理をし、現状を把握することです。
勤務時間や残業時間など上限をオーバーしていないか、誰がどのくらい休暇を取得しているかも把握しておかなくてはなりません。
しかし、日々の労働時間を集計・把握・管理をするために手作業で勤怠時間を毎日集計していたり、表計算ソフトに都度打ち込みをしていては時間も手間もかかります。そして働き方改革への対応が困難な状態となってしまいます。
ですので、働き方改革を推進するうえでは、正確な労働時間を管理するために上手にシステムを利用し、手作業作業をなくして効率化するのががおすすめです。
適正な管理のためのシステム活用
働き方改革を推進し効率的かつ、客観的な勤怠管理を実現するには「勤怠管理システム」が役立ちます。
勤怠管理システムでは毎日の出勤・退勤の打刻に基づき、日々の労働時間が集計されます。
有休休暇をいつ付与して、いつまでに要諦日数取らなくてはいけないかという休暇の管理が出来るものがほとんです。
また、規制上限に近づくとアラートが出るシステムもあります。
働き方改革を推進したい、働き方改革に対応したいと考えている場合は自社の勤務形態や勤務条件にあうか、
そしてコスト感は妥当か、使いやすいシステムであるかを加味してた上で導入を検討されるのが望ましいでしょう。
働き方改革を推進する勤怠管理システム4選
働き方改革に対応するために最適な勤怠管理システムをご紹介します。
KING OF TIME
株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供するクラウド型勤怠管理システムです。
労働時間の上限規制や年次有給休暇5日取得義務・勤務間インターバル・高度プロフェッショナル制度と働き方改革に対応できる機能が搭載されています。豊富な打刻手段・充実した機能が特徴です。
\その他にもこんな機能があります!/
- 初期費用0円、月額300円/人 ですべての機能が使える
- 無料のサポートセンターが手厚くフォローするので初めてのクラウドシステム導入でも安心
- クラウド勤怠管理市場シェアNo.1のシステム
\KINGOFTIMEの製品詳細&資料DLはこちら/
ジンジャー勤怠
jinjer株式会社が提供するクラウド型勤怠管理システムです。
働き方改革への対応として労働時間の上限規制や年次有給休暇5日取得義務・勤務間インターバルの機能があります。人事データベースが一元管理ができ、ジンジャーシリーズでご利用するとより利便性が上がります。
\jinjer勤怠の製品詳細&資料DLはこちら/
マネーフォワード クラウド勤怠
株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型勤怠管理システムです。
フレックス制や労働時間の上限規制・年次有給5日取得義務など働き方改革への対応が出来ます。
会計システムも提供しているのでバックオフィス業務のDX化に最適です。
\マネーフォワードクラウド勤怠の製品詳細&資料DLはこちら/
ジョブカン 勤怠管理
株式会社Donutsが提供するクラウド型勤怠管理システムです。
フレックス制や労働時間の上限規制・年次有給5日取得義務など働き方改革への対応が出来ます。
シフト管理機能の充実さや組み合わせ可能なプラン構成も利用しやすいポイントとなっています。
\ジョブカン勤怠管理の製品詳細&資料DLはこちら/
\ご紹介したサービスについてもっと詳しく知りたい方はこちら/
まとめ
この記事では現在の日本で抱える長時間労働や生産年齢人口の減少、生産性の低下という問題を解消するために推進されている働き方改革についてご説明しました。
長時間労働を抑止し、多様な働き方を実現するために企業では従業員の正確な勤怠管理は欠かせません。
効率的に管理するためにはヒューマンパワーに頼るだけではなく勤怠管理システムを上手に活用していくことがおすすめです。
自社にあった勤怠管理システムを活用することで働き方改革への対応も進むでしょう。