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Dropboxで建設業のデータガバナンスを構築|法定文書の長期保存と業務効率化を実現

建設業界では電子帳簿保存法や建設業法など、データの長期保存が求められる法規制への対応が課題になっています。
万が一の誤削除や改ざんを防ぐのはもちろん、訴訟や監査の際にも正当性を証明できるデータ保全体制を築くことは、企業の信頼性を支える基盤となります。

本記事では、Dropboxのデータガバナンスアドオンを活用した建設業特有の課題解決方法と、現場とオフィスの情報共有を効率化するDX推進について解説します。

目次[非表示]

  1. データガバナンスとは何か|建設業に求められるデータ管理の基礎
    1. データガバナンスの定義と目的
    2. データガバナンスの体制構築による3つのメリット
      1. ①データの保護と継続性の確保
      2. ②データの長期保管
      3. ③法的リスクの低減
    3. データ保持ポリシーの基本的な設計とは
  2. Dropboxのデータガバナンスアドオンによる多層防御機能
    1. 標準プランとの決定的な違いは管理者が主導権を持つ「データ保全」
    2. Dropboxを用いたデータアクセスの制御(データ保持・処理)
    3. Dropboxでのデータ共有ポリシーの実施
    4. 拡張バージョン履歴(EVH)の活用
  3. 建設業界におけるデータガバナンスに有効なDropbox
    1. 電帳法対応はDropboxに「データガバナンスアドオン」追加で実現
    2. 建設業法・石綿障害予防規則への対応
    3. 契約締結から保管・廃棄までの一貫した管理を実現する「Dropbox Sign」
  4. Dropboxが建設業に向いている理由
    1. 現場とオフィスの情報共有を高速・効率化
    2. 使いやすさと優れたセキュリティ機能の両立
    3. 建設DXと「働き方改革関連法」への対応
  5. まとめ

データガバナンスとは何か|建設業に求められるデータ管理の基礎

データガバナンスという言葉は、近年ますます注目を集めています。
この章では、データガバナンスの基本的な概念と、建設業界においてなぜデータガバナンスが重要なのかを解説します。

法規制への対応だけでなく、誤ったデータの削除や情報漏えいなど、日常的に起こりうるリスクに備えるためにも、データガバナンスは欠かせない取り組みです。

データガバナンスの定義と目的

データガバナンスとは、企業が保有するデータを適切に管理・保護し、法規制やコンプライアンス要件を満たすための組織的な仕組みです。
単にデータを保存するだけでなく、「誰がいつどのデータにアクセスしたか」を追跡し、データの真正性※1を担保することが求められます。

建設業界では、工事に関する契約書や設計図面、施工記録や安全書類など膨大な量のドキュメントが日々発生します。
これらの書類やデータを必要な期間確実に保存し、改ざんされていないことを証明できる体制を整えることで、法的リスクを減らし適正な管理が実現できます。

※1 真正性:データ、文書、人、デバイスが「本物」であることを確認できる特性のこと。

データガバナンスの体制構築による3つのメリット

データガバナンスを構築することで得られる主なメリットは、以下の3つです。

①データの保護と継続性の確保

データガバナンス体制を構築することで、多くの関係者が関与する建設現場での誤削除や上書きといったヒューマンエラーを防ぎます。
万が一の際も即座にデータを復元できる仕組みを整えることで、図面や工程表の紛失による工期遅延や現場の混乱を回避し、業務の継続性を確実なものにします。

②データの長期保管

建設業法や電子帳簿保存法に基づき、重要書類を最長10年などの法定期間にわたって確実に保存する仕組みを構築します。
個人の判断に頼らず、組織として「捨てない・忘れない」管理を徹底することで、長期間にわたる保存義務を漏れなく履行し、建設業界に求められる高い信頼性を維持します

③法的リスクの低減

将来的な法的紛争や行政監査に備え、必要なデータを迅速かつ正確に抽出できる体制を整えます。
データの真正性(本物であること)をいつでも証明できる状態にしておくことで、万が一の訴訟リスクから企業を守り、不適切なデータ管理による社会的信用の失墜を未然に防ぎます。

データ保持ポリシーの基本的な設計とは

データガバナンスを運用するうえで重要なのが、データ保持ポリシーの設計です。
ポリシーには大きく分けて「保持」と「処理」の2つのタイプがあり、それぞれ異なる目的で使用されます。

保持ポリシーは、設定した期間が終了するまでコンテンツを保護するためのものです。
ユーザーがファイルを削除しても、ポリシーが有効な間はデータが維持されるため、意図しない情報の喪失を防ぐことができます。

一方、処理ポリシーは、設定した期間の終了時に対象コンテンツを自動的に削除する仕組みです。
不要になったデータを適切なタイミングで廃棄することで、ストレージコストの削減や情報漏えいリスクの低減につながります。

Dropboxのデータガバナンスアドオンによる多層防御機能

Dropboxが提供するデータガバナンスアドオンは、企業のデータ保護を多層的に支援するソリューションです。
この章ではDropboxの標準プランとの違いについて説明した後に、データ保持と処理ポリシー・法的ホールド※2・拡張バージョン履歴という3つの主要な機能について解説します。

標準プランとの決定的な違いは管理者が主導権を持つ「データ保全」

データガバナンスアドオンが標準プランと大きく異なるのは、管理者がデータの保全について主導権を握れる点にあります。

まず、バージョン履歴の保持期間はプランにより異なりますが(180日または365日)※3、アドオンの「拡張バージョン履歴」を追加することで、最大10年間の長期保持が可能になります。
これは、建設業法が求める5年〜10年の書類保存要件にも十分対応できる期間です。

次に、削除の完全制御という点も重要な違いになります。標準プランではユーザーが削除したファイルは一定期間後に完全消去されますが、アドオンでは管理者のポリシーが終了するまでデータは消去されません。
ユーザーがファイルを削除しても、管理者が設定した期間中はデータが確実に保全されます。

さらに、訴訟や監査時にデータを証拠保全する「法的ホールド」機能は、アドオン限定の機能となっています。
法的リスクへの対応が求められる建設業界にとって、この機能の有無は大きな差といえるでしょう。

※2 法的ホールド:訴訟や調査が予想される段階で、関連する電子データや物理的文書の削除・廃棄・改ざんを禁止し、強制的に保全する措置のこと。

※3  Standardプランは180日、Advanced以上のプランは365日が標準のバージョン履歴期間となります。

Dropboxを用いたデータアクセスの制御(データ保持・処理)

データガバナンスアドオンでは、チーム管理者とコンプライアンス管理者がデータ保持・処理機能を管理し、コンプライアンスや規制要件を満たすためのポリシーを作成できます。

また、組織の運用に合わせて複数のデータ保持ポリシーを設定できるだけでなく、フォルダごとに最適なポリシーを適用することが可能です※4。
例えば、「契約書フォルダは10年保持」「日常的な連絡資料は1年保持」のように、データの重要度に応じて柔軟にポリシーを設定できる仕組みです。

チームメンバーがコンテンツを削除(または完全削除)した場合でも、ポリシーが終了するまでコンテンツは保持されます。
これにより、「大切なファイルを誰かが消してしまった」という事態が発生しても、管理者はデータを確実に元に戻すことが可能です。

※4 設定可能なポリシー数の上限等の詳細は、Dropbox 公式ヘルプセンターをご参照ください|チームのデータ保持ポリシーを管理する

Dropboxでのデータ共有ポリシーの実施

データ保持ポリシーと処理ポリシーは、それぞれ異なるタイミングで機能します。
保持ポリシーではチームメンバーの削除操作に関係なくポリシー終了までコンテンツを保持し、処理ポリシーではコンテンツはポリシーの終了時に自動的に削除され、ポリシー終了後に一定期間を経て完全削除されます※5

加えて、法的ホールド機能を活用すれば、管理者がホールドを解除するまで対象メンバーの全コンテンツを保全できます。
訴訟や法的調査が発生した場合、関連する担当者のデータを一括で保護できるため、証拠の散逸を防ぐことが可能です。

建設業界では下請契約や工事記録に関する紛争が長期化するケースも少なくないため、この法的ホールド機能は実務上の強力な備えとなります。

※5 保持ポリシーだけでは自動削除されません。一定期間後にデータを消去したい場合は、必ず「処理ポリシー」をセットで有効にする必要があるのでご注意ください。

拡張バージョン履歴(EVH)の活用

Dropboxの拡張バージョン履歴(Extended Version History / EVH)は、現行の365日から最大10年間にファイルの履歴保存期間を延長できる機能です。
ファイルを過去の状態に戻すことも可能なため、誤った編集や上書きが発生した場合でも、必要なバージョンに復元できます。

真正性の確保という観点でも、長期的なデータ保存により将来の法的紛争や規制対応に備えられる点は大きなメリットです。
操作履歴を含むバージョン履歴が長期間保存されることで、保管後の変更内容を正確に追跡・確認するための重要な材料となります

訴訟などのリスクに対応した信頼性の高いデータ管理を実現したい企業にとって、EVHは不可欠な機能といえるでしょう。

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建設業界におけるデータガバナンスに有効なDropbox

建設業界には、電子帳簿保存法や建設業法、石綿障害予防規則など、業界特有の法規制が数多く存在します。
この章では、これらの法規制やビジネス要件に対して、Dropboxのデータガバナンス機能がどのように対応できるのかを解説します。

電帳法対応はDropboxに「データガバナンスアドオン」追加で実現

Dropboxの「データガバナンスアドオン」を利用すると、削除ファイルの復元だけでなく、法令遵守を目的としたデータ保持ポリシーを設定できます。
万が一ファイルを削除してしまっても、設定期間中はデータが保持されるため、電子帳簿保存法等の要件達成を支援します。
ただし、最終的な適合性は運用設計と監査方針に依存することにご注意ください。※6

また、Dropboxでは保持ポリシーを設定し、すべてのファイルバージョンを最大10年間維持しつつ、機密データを管理できます。
ここで、電子帳簿保存法における「真実性」と「可視性」という2つの要件への対応について、整理しておきましょう。

電子帳簿保存法の「真実性」要件とは、データが改ざんされていないことを「担保」するための要件です。
Dropboxでは法的ホールドやバージョン履歴の保存により、データの真正性を担保できます。
一方、「可視性」要件は、必要なときにすぐにデータを検索・表示できることを求めるものです。
基幹システムとのデータ連携により、ファイル名や日付などの検索用情報を自動でひも付ける仕組みを構築することで、手作業を省きつつ可視性を確保できます。

※6 Dropboxは法令が求める保存要件の達成をサポートしますが、最終的な法的適合性は、お客様の運用設計(タイムスタンプ、検索要件、内部統制、規程等)や監査方針に依存します。具体的な法令解釈や運用設計については、税理士や弁護士等の専門家へご確認ください。

建設業法・石綿障害予防規則への対応

建設業界では、業界固有の法規制にも対応する必要があります。
建設業法では、書類・帳簿・図書などを原則5年、場合によっては最大10年保存することが義務付けられています。
Dropboxのデータガバナンスアドオンであれば、最大99年の保持ポリシーを設定できるため、この要件にも対応が可能です。

さらに長期の保存義務(40年間)が課される「石綿障害予防規則」等の対象文書についても、Dropboxのデータ保持ポリシーを活用した管理ができます。

ただし、データ保持ポリシーによる自動的な保持期間の設定には上限(最大10年)があるため※7、40年といった超長期の保管が必要な場合は、定期的なポリシーの見直しやアーカイブの更新、ストレージの長期維持を前提とした運用設計が不可欠です。

※7 保持期間の設定上限等の最新仕様については、Dropbox 公式ヘルプセンターをご確認ください。|チームのデータ保持ポリシーを管理する

契約締結から保管・廃棄までの一貫した管理を実現する「Dropbox Sign」

建設業界では、下請契約や資材発注など、日常的に大量の契約業務が発生します。
「Dropbox Sign」を活用すれば、契約締結から保管・廃棄までの一貫した管理をDropbox上で一元管理することが可能です。

具体的には、「Dropbox Sign」による電子署名(締結)から、「データガバナンスアドオン」による法定期間の保存、期限後の自動削除(廃棄)まで、契約業務の全工程をシームレスに管理できます。
紙の契約書を物理的に保管するスペースや管理コストも不要になるため、業務効率が大幅に向上するでしょう。

年間に数万件規模の発注契約がある建設会社の場合、従量課金型のサービスではコストが膨らみがちです。
しかし、「Dropbox Sign」ならボリュームに合わせたプランを選択できるため、他社サービスと比較してコストを抑えた導入が期待できます。

建設業界で特に気になる「電子契約の適法性」についても、「Dropbox Sign」なら安心です。
国土交通省や経済産業省の「グレーゾーン解消制度」を通じて、建設業法にしっかり準拠していることが正式に確認されています。※8

コンプライアンスが厳格に求められる「下請契約」などの重要な現場でも、法的なリスクを心配することなく、スムーズに電子化を推進できるのが大きな強みです。

※8 出典:「Dropbox Sign」、「グレーゾーン解消制度」により、”記名押印に代わる有効な電子署名”として建設業法に対応

無料資料ダウンロード:15分でわかる電子契約とDropboxSign|Dropbox相談センター

Dropboxが建設業に向いている理由

データガバナンス以外にも、Dropboxが建設業界に適している理由は数多くあります。
この章では、現場とオフィスの情報共有、使いやすさとセキュリティのバランス、そして建設DXと働き方改革への対応について解説します。

現場とオフィスの情報共有を高速・効率化

Dropboxを導入することで、全国に点在する建設現場からのデータを本社で直接確認できるフラット型の情報共有体制が実現します。
従来のように、現場から支店を経由して本社に報告するという階層的なフローが不要になり、意思決定のスピードが格段に上がります。

タブレット端末で最新の図面を参照したり、協力会社と安全に資料を共有したりと、場所を問わず業務資料にアクセスできる環境が整うことで、現場業務の効率は大きく向上するでしょう。

使いやすさと優れたセキュリティ機能の両立

クラウドストレージへの移行により、どこにいても業務資料にアクセスできるようになります。
この柔軟なアクセス環境は、建設業界でも求められている働き方改革や長時間労働の是正に貢献する要素です。

また、全社的なファイル共有基盤としてDropboxを活用することで、資料が現場ごとに分散・サイロ化する問題を解消できます。
組織全体で情報を一元的に共有しながらも、アクセス権限の細かな制御により、セキュリティとの両立が可能です。

建設DXと「働き方改革関連法」への対応

契約の電子化は、建設DXの入り口として非常に効果的な取り組みです。
電子契約への移行により、印紙代や郵送料といった直接的なコストが削減されるだけでなく、印刷・押印・ファイリングといった事務作業の手間も大幅に軽減されます。

電子契約は取引先企業にとってもメリットが大きく、導入企業の中には電子契約率が飛躍的にアップしたケースもあります。
建設業界全体のDX推進を後押しする効果も期待できるでしょう。

まとめ

建設業界では、電子帳簿保存法、建設業法、石綿障害予防規則など、データの長期保存を求める法規制への対応が欠かせません。
Dropboxのデータガバナンスアドオンは、最大10年間のデータ保持、法的ホールドによる証拠保全、拡張バージョン履歴による真正性の担保など、これらの要件を多層的にカバーする機能を備えています。

さらに、Dropbox Signによる契約業務の電子化や、現場とオフィスをつなぐクラウドベースの情報共有基盤は、建設DXと働き方改革の両面で企業を支援します。

データの保護・管理体制の構築と、業務効率化の両方を実現したい建設業界の企業の方は、ぜひお問い合わせください。

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SB C&S株式会社内SaaS専門チーム「Cloud Service Concierge」が記事の執筆や監修を進めています。ブログ記事は、SaaSの基礎知識やSaaS製品の選定ポイントなどを中心に情報を発信しています。
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