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Dropboxのチームフォルダと共有フォルダの違いとは|組織的なデータ管理を実現する

Dropbox Business(チームアカウント)※1には複数人でファイルを共有するための「チームフォルダ」と「共有フォルダ」という2種類のフォルダがあります。
共有機能を持つこの2種類のフォルダは、管理方法やアクセス権限の設定に大きな違いがあり、組織的なデータ管理には適切な使い分けが重要です。

本記事は、チーム(Dropbox Business)での運用を前提に説明し、それぞれの特徴と違い、そして実践的な使い分けのポイントを解説します。

※1 Dropbox Business(チームアカウント):Standard、Advanced、Enterprise等のプランです。

目次[非表示]

  1. チームフォルダと共有フォルダの基本的な違い
    1. チームフォルダの特徴
    2. 共有フォルダの特徴
    3. アクセス権限管理の違い
  2. チームフォルダによる組織単位でのデータ管理
    1. グループ単位でのアクセス管理
    2. サブフォルダへの柔軟なアクセス制限
    3. リンク制限による情報漏洩防止
  3. 管理者による退職者アカウントからのファイル引き継ぎ
    1. チームフォルダでのファイル保全
    2. メンバー用フォルダへのアクセス
    3. アーカイブ機能による段階的な削除
    4. 個人用フォルダからのデータ回収(Advanced以上のプラン)
  4. チームフォルダと共有フォルダの使い分け方
    1. チームフォルダを使うべきケース
    2. 共有フォルダを使うべきケース
    3. 効果的な運用のポイント
  5. まとめ

チームフォルダと共有フォルダの基本的な違い

チームフォルダと共有フォルダは、管理主体や管理方法、アクセス権限の設定範囲が異なります。
それぞれの特徴を理解することで、組織に適したデータ管理体制を構築できるでしょう。
まずは、両者の違いを比較表で確認してみましょう。

【チームフォルダと共有フォルダの比較表】

項目

チームフォルダ

共有フォルダ

アイコン

青いフォルダに建物の記号

青いフォルダに人のシルエット

作成できる人

管理者(または権限を付与されたメンバー)

個々のメンバーが自由に作成可能

所有者

組織(管理者)

フォルダを作成した個人

フォルダ名の変更・削除

管理者(または管理権限を付与されたメンバー)

所有者(作成者)

サブフォルダへの個別アクセス権限

上位フォルダの権限に関わらず、管理者による特定のメンバーやグループの制限(除外)設定が可能

上位の権限を継承するため、特定のメンバーのみを制限(除外)することは不可(未参加メンバーの追加招待は可能)

アクセス管理

グループ単位で役割(編集者/読み取り専用)を割り当て

招待したユーザーごとに設定

削除後の挙動

管理者が管理コンソールから一括で特定・復元可能

削除者が復元(管理者はコンテンツの確認・検索が必要)

メンバー退職時のデータ

組織に残る(管理者が所有)

所有者のアカウントに依存

主な用途

部門・組織単位の長期的なデータ管理

メンバー間の一時的なファイル共有


チームフォルダの特徴

チームフォルダは、管理者が新規作成し、アクセスできるメンバーを設定する組織管理型のフォルダです。
フォルダ名の変更や削除は管理者のみが行えるため、ユーザーの誤操作によるフォルダの削除や移動を防止できます。

見た目の面では、チームフォルダのアイコンには「青いフォルダに建物の記号」が描かれており、共有フォルダと一目で区別することが可能です。
この視覚的な違いにより、メンバーがどのフォルダに対して作業しているのかを直感的に判断できます。

共有フォルダの特徴

共有フォルダは、所有者である個々のユーザーが他のユーザーを招待して利用するフォルダです。
管理者以外の個々のメンバーでも自由に作成できるため、チーム内の柔軟なファイル共有に適しています。

共有フォルダは青いフォルダに人のシルエットがあり、チームフォルダとの見分けがつきやすい仕様になっています。
ただし、フォルダの所有権は作成した個人に帰属するため、その人が退職した場合のデータ管理には注意が必要です※2

また、「上位フォルダのアクセス権は、その配下のサブフォルダにも引き継がれる」という特性があります。
ただし、サブフォルダにて、ユーザーの削除はできませんが、ユーザーの追加は可能です。
そのため、特定のメンバーにだけ機密情報を伏せたい(アクセスさせたくない)場合は、既存フォルダの中に置くのではなく、最初から別の共有フォルダを作成するか、チームフォルダ配下でアクセス制限をかけたサブフォルダとして分離して運用する必要があります。

※2 管理者であれば、共有フォルダを作った本人が削除しても復元することは可能です。ただし、探し出す手間や復元の確実性に劣る場合もあります。

アクセス権限管理の違い

チームフォルダと共有フォルダの最も大きな違いの一つが、サブフォルダへのアクセス権限設定です。

共有フォルダでは、上位フォルダの権限が下位のサブフォルダに一律で引き継がれる(継承される)ため、「親フォルダのメンバーである特定のユーザーにだけ、このサブフォルダを見せない」といった柔軟な制限ができません。

一方、チームフォルダではサブフォルダにも個別にアクセス権限を設定することが可能です。
例えば、「営業部」のチームフォルダ内に「見積書」「契約書」「日報」といったサブフォルダを作り、「契約書」フォルダはマネージャーのみアクセス可能にする、といった部門ごと・プロジェクトごとの柔軟なアクセス制限を実現できます。

チームフォルダによる組織単位でのデータ管理

チームフォルダを活用することで、全社的または部門単位での体系的なデータ管理が可能になります。
管理者による一元管理により、情報ガバナンスを効かせた運用を実現できるでしょう。

グループ単位でのアクセス管理

チームフォルダはグループで共有され、各グループに「編集者」または「読み取り専用」の役割を割り当てることができます。
たとえば、「経理部」グループには編集権限を、「監査チーム」グループには読み取り専用の権限を付与する、といった設定が可能です。

参加していないチームフォルダへのアクセスが必要になった場合は、メンバーから管理者にグループ参加をリクエストする仕組みとなっています。
管理コンソールから全チームフォルダのアクセス状況を一元管理できるため、「誰がどのフォルダにアクセスできるのか」を常に把握できる点も大きなメリットです。

サブフォルダへの柔軟なアクセス制限

チームフォルダの大きな強みは、フォルダ内の特定の階層(サブフォルダ)に対しても、個別にアクセス権限を設定できる点です。これにより、部門やプロジェクトの枠を越えて「必要な人に、必要な分だけ」情報を開示する、きめ細やかな運用が可能です。

特筆すべきは、権限がないメンバーに対する「見せ方」まで制御できる点です。

例えば、機密性の高いプロジェクト資料などは「フォルダの存在自体を隠す(非表示)」設定にすることで、余計な混乱や詮索を防げます。

一方で、あえて「アクセス不可」(表示方法は環境により異なります)を表示させる設定にすれば、メンバーがフォルダの存在を認識した上で、必要に応じて管理者にアクセス権をリクエストするといった運用も行えます。

リンク制限による情報漏洩防止

チームフォルダには、不用意な外部共有を防ぐ「リンク制限」機能も備わっています。
通常、共有リンクはURLを知っている人なら誰でもアクセスできてしまうリスクがあります。しかし、この機能を有効にすると、たとえURLが流出しても「そのフォルダのアクセス権を持たないユーザー」は中身を閲覧できません。

「リンクは送るけれど、見られるのは許可されたメンバーだけ」という二重のチェックをかけることで、外部とのやり取りが多い環境でも、一歩踏み込んだ情報漏洩対策を実現できます。

管理者による退職者アカウントからのファイル引き継ぎ

チームフォルダは管理者が所有・管理するため、メンバーの退職時にもスムーズなファイル引き継ぎが可能です。組織の重要なデータを確実に保持し、業務の継続性を確保できます。

チームフォルダでのファイル保全

チームフォルダの最大の利点は、メンバーの退職に関わらずフォルダとファイルが組織に残り続ける点です。
所有権が「組織(管理者)」にあるため、退職者のアカウントを削除してもデータが消失することはありません。

一方、共有フォルダの場合は注意が必要です。フォルダの所有者であるメンバーが退職し、適切な引き継ぎ(データ転送)を行わずにアカウントを削除してしまうと、他のメンバーの画面からもそのフォルダが消滅し、アクセスできなくなるリスクがあります。
チームフォルダであれば、こうした属人化によるデータ紛失の心配がなく、組織の資産を確実に保護できます。

メンバー用フォルダへのアクセス

退職者が個人用フォルダ(メンバー用フォルダ)に保存していたファイルについても、引き継ぎの手段が用意されています。
Advanced以上のプランであれば、管理者が「メンバーとしてログイン」機能を使ってチームメンバーの個人用フォルダにアクセスすることが可能です※3

この機能により、退職者の個人用フォルダから必要なファイルをチームフォルダへ移動するなど、業務の引き継ぎや重要データの回収をスムーズに実施できます。

※3 Standardプランでは、管理者として「削除・移行・共有の管理」が可能です。

アーカイブ機能による段階的な削除

不要になったチームフォルダを整理する際、Dropboxでは「いきなり消去」するのではなく、まず「アーカイブ(凍結)」状態にすることを推奨しています。

アーカイブを実行すると、メンバー全員のパソコンやブラウザから対象フォルダが消え、アクセスできなくなります。
この「仮削除」の期間を設けることで、現場から「あのデータが必要だった」という声が上がればすぐに復元でき、問題なければ管理コンソールから「完全削除」へ進むという、トラブルを未然に防ぐ運用が可能です。

個人用フォルダからのデータ回収(Advanced以上のプラン)

退職者が「自分専用の保存領域(個人用フォルダ)」に業務ファイルを残したまま辞めてしまった場合でも、回収できます。

Advanced以上のプランであれば、管理者の「メンバーとしてログイン」機能を利用できます。
これにより、管理者が一時的に退職者のアカウント環境に入り、個人領域にある重要ファイルをチームフォルダへ移動させるなど、組織の資産を漏らさず回収することが可能です。

チームフォルダと共有フォルダの使い分け方

組織の用途や管理要件に応じて、チームフォルダと共有フォルダを適切に使い分けることが重要です。
それぞれの特性を活かした運用により、効率的で安全なデータ管理が実現できます。

チームフォルダを使うべきケース

チームフォルダは、組織として長期的に管理すべき情報に適しています。
具体的には、全社的な規程・マニュアル類、部門ごとの業務資料、厳格なアクセス権限管理が必要な機密情報や契約書などの重要文書が該当します。
また、プロジェクトの成果物や納品物のように組織として確実に保持すべきデータも含まれます。

管理者が所有権を持つため、メンバーの異動や退職に左右されずデータが組織に残る点は、チームフォルダの大きな強みです。
「このデータは会社のものとして管理したい」と思うものは、チームフォルダに格納するのが適切でしょう。

共有フォルダを使うべきケース

共有フォルダは、特定のメンバー間での一時的なファイル共有に向いています。

たとえば、短期間のプロジェクト内でのファイル交換、個人が主体となって管理する小規模な共同作業、社外パートナーとの一時的な資料授受などが該当します。

メンバーが管理者を介さず自由に作成できる手軽さが共有フォルダのメリットです。

「ちょっとしたファイルのやり取りに、いちいち管理者を通すのは非効率」というケースでは、共有フォルダの活用が適切でしょう。

効果的な運用のポイント

実際の運用では、チームフォルダと共有フォルダを組み合わせて使うのが最も効果的です。

まず、大枠のフォルダ構造をチームフォルダとして作成します。
「営業部」「開発部」「管理部」といった部門別、または「プロジェクトA」「プロジェクトB」といったプロジェクト別のチームフォルダを設置し、その中に用途に応じたサブフォルダを設定していきます。

そのうえで、日常的な小規模のファイル共有や一時的なコラボレーションには共有フォルダを併用します。
こうすることで、組織としてのガバナンスと、現場の柔軟性の両方をバランスよく実現することが可能です。

大切なのは、「組織の資産として管理すべきデータはチームフォルダに」「個人の裁量で共有してよいデータは共有フォルダに」という基本方針を社内で明確にし、全メンバーに周知しておくことでしょう。

まとめ

Dropboxチームフォルダと共有フォルダは、どちらもファイル共有のための機能ですが、その管理思想は大きく異なります。

チームフォルダは管理者が所有・管理する組織主導型のフォルダであり、サブフォルダへの個別アクセス権限設定、リンク制限による情報漏洩防止、退職者のデータ保全など、組織的なデータガバナンスに不可欠な機能を備えています。
一方、共有フォルダはメンバーが自由に作成できる手軽さが魅力で、一時的なファイル共有や小規模な共同作業に適した仕組みです。

効果的な運用の鍵は、両者を「組織の資産はチームフォルダに、個人の裁量で共有してよいデータは共有フォルダに」という方針のもとで使い分けることにあるでしょう。
自社のデータ管理体制を見直し、適切なフォルダ運用を実現したい方は、ぜひお問い合わせください。

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SB C&S株式会社内SaaS専門チーム「Cloud Service Concierge」が記事の執筆や監修を進めています。ブログ記事は、SaaSの基礎知識やSaaS製品の選定ポイントなどを中心に情報を発信しています。
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