
ファイル共有にはどのようなセキュリティリスクがある? 代表例とその対策法を解説
従来のファイル共有において、不正アクセスやデータ漏えいなど、セキュリティ面に課題を抱えている企業は多いのではないでしょうか。これらの課題を放置していると大きなトラブルに発展しかねないため、企業として今後はファイル共有のセキュリティ対策を強化していくことが重要です。
しかし、ファイル共有に付随するセキュリティ面の課題はどのように改善すればよいのでしょうか。この記事では、ファイル共有に潜むセキュリティリスクを説明し、安全にファイル共有するための対策法や、サービス選定時のチェックポイントを紹介します。
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目次[非表示]
1.ファイル共有における3つのセキュリティリスク
従来のファイル共有方法には、さまざまなリスクが伴います。
①不正アクセス
1つ目は、第三者による不正アクセスです。不正アクセスとは、本来アクセスできないはずのユーザーに、機密データや重要ファイルにアクセスされてしまうことを指します。
不正アクセスの手口はさまざまで、標的型サーバー攻撃(※1)やパスワードリスト攻撃(※2)をはじめ、フィッシングや盗聴などもあります。悪意のある第三者がこれらの手口でログイン情報を盗み出し、不正アクセスするケースが一般的です。
このほか、パスワードの使い回しやアクセス制限の誤設定など、セキュリティ・共有設定の不備が原因で不正アクセスされてしまうこともあります。例えば、ファイルとパスワードを別々のメールで送る「PPAP」を採用している場合、パスワードを使い回していると、万が一パスワードリスト攻撃を受けた際に2通目以降のファイルにも不正アクセスされてしまう可能性があります。
※1・・・標的型サーバー攻撃とは、特定の組織や個人を狙い、機密情報を盗み出したりサービスを妨害したりするサイバー攻撃のこと。
※2・・・パスワードリスト攻撃とは、攻撃者が不正に入手した「IDとパスワードをリスト化したデータ」を用いて、システムやサービスへ不正ログインする攻撃のこと。
②データ漏えい
2つ目は、内部からのデータ漏えいです。データ漏えいとは、違う相手にメールでファイル共有してしまったり、クラウドストレージの共有設定を誰でもアクセスできる状態にしてしまったりすることで、関係者以外の人たちにデータが漏れることを指します。
このほか、正式にアクセス権を付与されている人物が悪意を持って情報を盗み出すケースもあり、これもデータ漏えいの一例です。このような不正行為は防ぐのが極めて困難です。
③マルウェア感染
3つ目は、マルウェア感染です。マルウェアとは、コンピューターやその利用ユーザーに被害を与えることを目的とした悪意のあるソフトウェアのことです。
マルウェアの感染経路は、メールやWebサイト、USBなどいくつかあり、そのなかにはファイル共有ソフトも含まれます。仮にファイル共有ソフトがマルウェアに感染していた場合、機密情報が漏えいするリスクがあります。
2.安全にファイル共有するための6つのセキュリティ対策方法
ファイル共有に付随するリスクを回避するためには、セキュリティ対策を徹底することが重要です。
①強力なパスワードの設定と二段階認証の導入
パスワードをつけてファイル共有する場合は、強力なパスワードの設定が必須です。単純なパスワードは第三者に解読されやすく、悪用されかねません。数字や英語(小文字・大文字)、記号を組み合わせて複雑で難解なパスワードを設定することで、セキュリティを強化できます。
また、二段階認証の導入も重要です。知識情報や生体情報など、2つの異なる要素を用いてログイン認証を行うことで、不正アクセスを防ぎやすくなります。
②暗号化の実施
共通鍵暗号方式や公開鍵暗号方式など、ファイルを暗号化することもセキュリティ対策として有効です。暗号化されたファイルは特定のユーザーしか開封・閲覧できないため、不正アクセスや情報漏えいを未然に防げます。
③アクセスの制限と権限管理
ファイルにアクセスできるユーザーを制限するのもおすすめです。ファイルを保護しやすくなるため、不正アクセスのリスクを低減できます。
また、ファイル操作の権限を管理するのも有効です。不正操作ができない環境を構築することで、機密情報の改ざんや漏えいを防ぎやすくなります。
④ウイルス対策ソフトの導入
マルウェアによる被害を回避するためには、ウイルス対策ソフトの導入が堅実です。ソフトを適宜アップデートすることで日々進化するウイルスに対抗でき、不正アクセスや情報漏えいのリスクを低減しやすくなります。
ウイルス対策ソフトにはさまざまな種類があるため、企業の規模や共有するファイルの種類などに応じて選定するのがおすすめです。
⑤ログの監視とアラート設定
クラウドストレージを活用している場合は、ログの監視を徹底することが重要です。「誰がいつアクセスし、どのような操作をしたのか」という記録が残るため、不正行為を抑止できます。
また、万が一不正アクセスや情報漏えいが起きたとしても、スムーズに原因を解明することが可能です。
⑥安全なファイル共有サービスの利用
安全性に優れたファイル共有サービスを利用するのも有効な手段です。ファイルごとにパスワードを設定できたり、ファイルの暗号化が可能だったり、ログの監視・管理ができたり、セキュリティ機能が充実しているサービスなら、不正アクセスやデータ漏えいなどのリスクを回避しながら効率よくファイル共有が行えます。
例えば、ファイルをクラウド上のストレージに保存・同期し、安全に共有する『Dropbox』は、セキュリティ面に優れたクラウドストレージサービスです。セキュリティアラート通知により、ユーザーの不審な動きやリスクの高い行動をリアルタイムに検知し、セキュリティアラートを発報します。
また、情報漏えい防止(DLP)機能により、機密情報を含むファイルやフォルダがチーム外で共有された場合、管理者にアラートが届きます。これらの機能により、Dropboxなら機密情報の改ざんや漏えいの心配が少ない、安全なファイル共有が可能となります。
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3.ファイル共有サービスを選ぶ際のチェックポイント
安全なファイル共有を実現するためにファイル共有サービスを導入する際は、以下でご紹介するポイントを踏まえてサービスを選定することが重要です。
▼併せて一緒に押さえておきたいクラウドストレージの選定方法
セキュリティ
データを暗号化できるか、認証機能が備わっているか、ログの監視・管理は可能かなどを確認するのはもちろん、それぞれの設定範囲や保存期間もチェックすることが大切です。重要視するセキュリティポイントを明確にして、自社にマッチする機能を備えたファイル共有サービスを選んでください。
ストレージ容量
ファイル共有サービスによってストレージ容量は異なるため、業務の性質や扱うデータ量を考慮して選ぶことが重要です。
仮にストレージ容量が足りないとファイルの保存・管理ができなくなり、業務効率が低下する可能性があります。そのため、容量の追加が容易かどうかもチェックしておくと安心です。
操作性
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでも利用することを考慮して、操作性も確認しておくことが重要です。どの端末からも使いやすく簡単に操作できるファイル共有サービスなら、手間なくファイルの保存・管理・共有ができ、業務の効率化に貢献できます。
料金
ファイル共有サービスによって利用料金は異なりますが、多くのサービスが月額制または年額制となっています。継続的な支払いが必要になるため、企業の規模や成長を踏まえた長期的な視点でどのサービスにするか検討することをおすすめします。また、料金に相応しい機能性・容量・セキュリティかどうかも、重要なチェックポイントといえます。
4.まとめ
この記事では、ファイル共有について以下の内容を解説しました。
- ファイル共有のセキュリティリスク
- 安全にファイル共有するための6つのセキュリティ対策方法
- ファイル共有サービスを選ぶ際のチェックポイント
ファイル共有には、不正アクセスやデータ漏えいなどのリスクが潜んでいます。しかし、これらのリスクは強力なパスワードを設定したり、ファイルを暗号化したり、安全なファイル共有サービスを利用したりと、工夫次第で回避できます。
もしファイル共有サービスを導入する場合は、Dropboxのようなセキュリティ面に優れたサービスを選ぶのがおすすめです。高精度なセキュリティ対策によって、安全なファイル共有を実現できます。ファイル共有に課題がある場合は、この機会にぜひDropboxの利用を検討してみてください。
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