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研究データ管理を効率化!GakuNin RDMとDropboxの連携で研究環境が進化する(後編)

研究データの管理に悩む研究者や大学のIT担当者は多いのではないでしょうか。近年、オープンサイエンスの潮流と共に、研究データを適切に管理・共有・保存することの重要性がますます高まっています。前編に引き続き、後編の本記事では、国産の研究データ管理基盤「GakuNin RDM」の、拡張ストレージとしての「Dropbox」連携について詳しく解説します。

参考:GakuNin RDM公式サイト (国立情報学研究所) 
参考:GakuNin RDM サポートポータル

目次[非表示]

  1. Dropboxを拡張ストレージとして活用する利点
    1. Dropboxの基本機能と特長
      1. 1.直感的なユーザーインターフェース
      2. 2.高度な同期機能
      3. 3.バージョン履歴と復元機能
      4. 4.セキュリティ機能
      5. 5.共有と共同作業機能
  2. GakuNin RDMとDropboxの連携メリット
    1. 1.使い慣れた環境の継続利用
    2. 2.二重管理の回避
    3. 3.多様なファイルタイプへの対応
    4. 4.デバイス間の研究データアクセス
  3. 教育研究現場でのDropbox活用事例
    1. 1.複数機関にまたがる共同研究プロジェクト
    2. 2.フィールド研究でのデータ収集と管理
    3. 3.大規模な実験データの共有と分析
    4. 4.研究室の知識継承と学生指導
  4. まとめ
    1. GakuNin RDMとDropboxで実現する理想的な研究環境

Dropboxを拡張ストレージとして活用する利点

日本における大学コミュニティで圧倒的な実績を持つDropboxですが、近年、GakuNin RDMの拡張ストレージとしての利用も増えてきました。その理由と具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。

Dropboxの基本機能と特長

Dropboxは単なるストレージサービスではなく、ファイル共有とコラボレーションに特化したプラットフォームへと進化しています。このため、複数の研究者が共同でデータを扱う研究現場と相性が良いです。


1.直感的なユーザーインターフェース

• シンプルなフォルダ構造による分かりやすいファイル管理

• ドラッグ&ドロップによる簡単な操作性

• モバイルアプリを含む様々なデバイスからのアクセス


2.高度な同期機能

• 差分同期技術による効率的なファイル更新

• オフライン編集と自動同期機能

• 衝突解決機能による共同作業の円滑化


3.バージョン履歴と復元機能

• ファイルの変更履歴の保存(無料プランで30日間、有料プランでより長期間)

• 削除ファイルの復元機能

• 誤操作や意図しない変更からの回復が容易


4.セキュリティ機能

• AES 256ビット暗号化によるデータ保護

• 二要素認証によるアカウント保護

• 管理者向けの詳細なアクセス管理機能(※Standardプラン以上)


5.共有と共同作業機能

• リンク共有による簡単なファイル配布

• フォルダ単位での共有設定

• コメント機能によるフィードバック

GakuNin RDMとDropboxの連携メリット

研究者はDropboxの使い勝手の良さを享受しながら、GakuNin RDMによる体系的なデータ管理のメリットも得られます。

特筆すべきは、Dropboxの同期エンジンの高性能さと、GakuNin RDMのメタデータ管理機能の組み合わせにより、研究データの使いやすさと管理性の両立が実現する点です。

1.使い慣れた環境の継続利用

• 使い慣れたWindows Explorerを経由して若手研究者のデータ教育、管理を実現 

• 研究の継続性を保ちながら、管理基盤の強化が可能

2.二重管理の回避

• 同じファイルを複数の場所で管理する必要がなくなる

• データの不整合や更新漏れのリスク低減

3.多様なファイルタイプへの対応

• Dropboxは様々なファイル形式のプレビュー機能を提供

• 特殊な研究データフォーマットでも柔軟に対応

4.デバイス間の研究データアクセス

• 研究室のPC、自宅のコンピュータ、タブレットなど様々なデバイスからのアクセス

• 場所を選ばない研究活動の実現

教育研究現場でのDropbox活用事例

実際の教育研究現場では、以下のようなシーンでDropboxとGakuNin RDMの連携が効果を発揮しています

1.複数機関にまたがる共同研究プロジェクト

事例:A大学、B研究所、C企業の研究者が共同で進めるプロジェクトで、GakuNin RDMのプロジェクト機能とDropboxの共有フォルダを連携させることで、所属機関を超えたスムーズなデータ共有を実現。
メリット:アクセス権限の詳細な制御と、リアルタイムでのファイル同期の両立。

2.フィールド研究でのデータ収集と管理

事例:生態調査チームが現地でスマートフォンやタブレットを使ってDropboxに画像データをアップロード。それらのデータがGakuNin RDM上で自動的に整理され、メタデータ付与が可能に。
メリット:オフラインでの作業とオンラインでの同期の柔軟な切り替え。フィールドワークとデータ管理の効率化。

3.大規模な実験データの共有と分析

事例:大型実験施設で生成された測定データを、Dropboxを通じて研究室メンバーと共有。GakuNin RDM上でデータ間の関連付けや分析結果の管理を実施。
メリット:大容量データの効率的な転送と、体系的な実験記録の維持。

4.研究室の知識継承と学生指導

事例:研究室の過去のデータや資料をDropbox上で整理し、GakuNin RDMのプロジェクト機能で学生ごとのアクセス権を設定。学生の卒業後もデータの継続性を維持。
メリット:研究室の知的資産の蓄積と、学生の研究指導の効率化。


これらの事例から分かるように、Dropboxは特に「使いやすさ」と「共同作業の円滑化」の面で強みを発揮し、GakuNin RDMと組み合わせることで研究データのライフサイクル全体をサポートする強力なソリューションとなります

研究者や学生にとって重要なのは、日常の研究活動の流れの中にGakuNin RDMとDropboxを自然に組み込むことです。特に、Dropboxの同期機能を活用すれば、普段使いのPCのフォルダ構造をそのままに、GakuNin RDMの管理機能を享受できるのが大きなメリットです。

参考:NIIオープンフォーラム発表資料「学術研究におけるクラウドストレージの活用とRDM連携」 
参考:
NIIオープンフォーラム2022 セッション概要

まとめ

GakuNin RDMとDropboxで実現する理想的な研究環境

研究データ管理の分野は、今後ますます重要性を増していくと予想されます。


1.オープンサイエンスの本格化
・公的資金による研究成果の公開義務化の拡大
・研究データの引用・評価システムの確立
・研究データそのものの学術的価値の向上


2.AIと機械学習の活用
・研究データの自動分類・整理技術の発展
・メタデータの自動付与による管理効率の向上
・データマイニングによる新たな知見の発見


3.国際連携の強化
・研究データ管理の国際標準化の進展
・国境を越えたデータ共有基盤の発展
・グローバルな研究協力の促進


4.研究評価の変革
・データ公開状況が研究評価の一要素に
・データ管理プラクティスの質が研究の信頼性評価に直結
・データ引用指標の重要性向上

このような環境変化の中で、研究機関や研究者が適切なデータ管理体制を構築することは、将来の研究活動の基盤となるでしょう。
研究データ管理は一朝一夕に完成するものではなく、組織と個人が共に学び、成長していくプロセスです。まずは小規模なパイロットプロジェクトから始め、徐々に範囲を広げていくアプローチが効果的といえます。研究データは研究者と研究機関の重要な資産です。GakuNin RDMとDropboxの連携によって、その価値を最大限に引き出し、研究力向上に貢献することが出来ると考えています。

GakuNin RDMとDropboxの連携に興味を持たれた方は、まずは無料トライアルから始めて、Dropboxの操作性を是非ご体感ください。


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