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Dropboxで実現する製造業のCADや写真データ共有の方法と運用術

製造業では、CADデータや写真などの大容量ファイルを社内外で共有することが課題となっています。
特に、ファイルサーバーの容量不足やバージョン管理の複雑さなどが原因で、協力会社とのデータのやり取りに手間がかかっています。
そうした課題を解決する方法として、クラウドストレージの活用に注目が集まっています。

本記事では、製造業特有のデータ管理課題を整理したうえで、Dropboxを活用したCADや写真データの共有方法と、現場で使える運用術を解説します。

目次[非表示]

  1. 製造業におけるCADや写真データ共有の現状と課題
    1. 社内外でのCADや写真データ共有が難しい理由
    2. 大容量ファイルのやり取りで発生するトラブル
    3. NASやメール添付では限界があるCADデータ管理
  2. DropboxがCADや写真データ共有に選ばれる理由
    1. 大容量CAD・写真ファイルにも対応するクラウドストレージの強み
    2. AutoCADやSolidWorksとの連携で設計データをスムーズに管理
    3. マルチデバイス対応で現場や外出先からもアクセス可能
  3. Dropboxを活用した製造業のCADや写真データ共有の運用術
    1. 設計部門と生産管理部門が連携するための運用ルール
    2. リアルタイム同期で常に最新のCADデータを全員が参照する方法
    3. DWGファイルのプレビュー機能でCADを持たない担当者とも共有する
  4. まとめ

製造業におけるCADや写真データ共有の現状と課題

製造業の現場では、CADデータや写真・検査記録などの大容量ファイルを日常的に扱います。
しかし、その共有・管理には独自の難しさがあり、多くの企業が課題を抱えています。

社内外でのCADや写真データ共有が難しい理由

製造業でのデータ共有が難しい最大の理由のひとつは、ファイルサイズの大きさです。
CADデータは1ファイルで数十MB〜数GBになるケースも多く、通常のファイル共有手段では対応しきれない場面が頻繁に発生します。
また、CADデータから派生する現場写真・検査記録・仕様書・図面PDFなどのファイル群も膨大な量になりやすく、それらを一元管理するのは容易ではありません。

さらに、協力会社や外注先とのデータ共有にはVPN経由の接続が使われるケースが多いものの、接続には手間がかかるうえ、セキュリティ設定が不十分な場合もあり、安全で確実なデータ受け渡しの仕組みとして十分とはいえない状況です。

大容量ファイルのやり取りで発生するトラブル

大容量ファイルの共有を従来の方法で行おうとすると、さまざまなトラブルが発生します。
まず、メールによるファイル送付は添付サイズの上限(一般的に10〜25MB)があるため、大容量のCADファイルはそもそも送付自体ができません。

また、ファイル名によるバージョン管理も大きな課題です。
「最新版」「修正版」「最終」「最終_確定」といったファイルが次々と増えていくうちに、どれが本当に最新のデータなのか、現場担当者が判断に迷う場面は製造業でよく見られます。
加えて、データが担当者個人のPCに保存されたまま管理されている場合、異動や退職時に引き継ぎをしないままデータが消滅してしまうリスクもあります。

NASやメール添付では限界があるCADデータ管理

社内NASやファイルサーバーを使ったデータ管理も、現代の業務環境では限界を迎えつつあります。
容量のひっ迫や機器の老朽化が進み、保守コストと管理負担が年々増大しているケースが多くあります。
また、NASは社外からのアクセスを前提として設計されていないため、テレワークや出張先での利用には別途VPN等の整備が必要です。

さらに、退職者のアクセス権限が残ったままになるケースが多く、セキュリティリスクや退職後のデータ引き継ぎ漏れが発生しやすいという問題もあります。
こうした課題を根本から解消するために、クラウドストレージへの移行を検討する製造業企業が増えています。

DropboxがCADや写真データ共有に選ばれる理由

製造業特有の大容量・高セキュリティ要件に対して、Dropboxはどのように応えるのでしょうか。
ここでは、現場での活用イメージとあわせて解説します。

大容量CAD・写真ファイルにも対応するクラウドストレージの強み

Dropboxでは、フォルダやファイルの「共有リンク」を作成してURLを送るだけで、相手がDropboxアカウントを持っていなくても大容量データを渡すことができます。
協力会社や外注先に対して、専用アカウントの作成を求める必要がないため、データの受け渡しにかかる手間を大幅に削減できます。

また、「ファイルリクエスト」機能を活用すれば、協力会社や外注先が自分のDropboxに直接ファイルをアップロードできるため、メール添付のやり取りが不要になります。
大容量ファイルの送付が必要な場面では、「Dropbox Transfer」を活用することで最大100GBまでのファイルを安全に送付できます※1
ダウンロード期限の設定やパスワード保護にも対応しており、社外への一時的なデータ提供も安全に管理できます。
なお、「Dropbox Transfer」の送信上限はプランによって異なります。
さらに、期限付き共有リンクを活用することで、社外との一時的なデータ受け渡しをより安全にコントロールすることも可能です。

※1 Advanced以上のプランで最大100GBまで送付できます。

AutoCADやSolidWorksとの連携で設計データをスムーズに管理

DropboxはAutodesk(AutoCAD)と公式パートナーシップを結んでおり、DropboxからDWGファイルを直接AutoCAD Webアプリで開いて編集できます。
ファイルをローカルにダウンロードすることなく、クラウド上で作業・保存が完結するため、常に最新の状態でチーム全員がデータを共有できます。

また、国内の3DCADシェアNo.1であるSolidWorksをはじめ、AutoCAD互換ソフトのIJCADや主要CADソフトとも連携しており、既存の設計環境を大きく変えることなくDropboxを導入できます。
主要CADソフトとDropboxの連携状況は以下の通りです。

【Dropboxと連携できるCADソフトの例】

CADソフト

提供元

連携方法

主なファイル形式

AutoCAD

Autodesk

公式パートナー連携(AutoCAD Webアプリで直接編集)

.dwg / .dxf

AutoCAD LT

Autodesk

AutoCAD Webアプリ経由で利用可能

.dwg / .dxf

IJCAD

インフォマティクス

Dropboxフォルダ経由で利用可能(IJCAD Mobile対応)

.dwg / .dxf

SolidWorks

Dassault Systèmes

Dropboxフォルダ経由でファイル保存・共有が可能

.step / .stp

Vectorworks

Vectorworks, Inc.

Vectorworks Cloud Services(VCS)経由でDropboxに接続

.vwx / .dwg

※連携の可否や機能の詳細はバージョンや環境によって異なる場合があります。

マルチデバイス対応で現場や外出先からもアクセス可能

DropboxはPCだけでなく、スマートフォン・タブレットからもアクセスできるため、現場での図面確認や写真のその場アップロードが可能です。
工場の現場担当者が現物と図面の寸法の相違に気づいた際、その場で図面確認やコメントが設計部門と共有できます。
口頭や電話での説明が不要になるため、認識のズレを防ぎながらスピーディーに設計変更の対応へとつなげることができます。

また、「オンラインのみ」の機能※2により、ローカルストレージを消費せずにクラウド上のファイルにアクセスできるため、ストレージ容量の少ないタブレット端末でも大容量の図面データを問題なく参照できます。
移動中などCADソフトが手元にない環境でも、ブラウザ経由でDropboxにアクセスすることでDWGファイルをプレビュー確認できる点も現場での利便性を高めています。

※2 「オンラインのみ」の機能:「オンラインのみ」のファイルはクラウドに保存されるため、お使いのパソコンやモバイル デバイスのストレージ容量を使用しません。

Dropboxを活用した製造業のCADや写真データ共有の運用術

Dropboxの機能を最大限に活かすためには、現場の実態に合った運用ルールを整備することが重要です。
ここでは、製造業の現場で実際に役立つ運用術を紹介します。

設計部門と生産管理部門が連携するための運用ルール

設計部門が図面を更新した際は、チームフォルダ内の所定の場所に保存し、生産管理部門に通知するという運用フローをあらかじめ決めておくことが重要です。
Dropboxの通知機能を活用すれば、特定フォルダへのファイル追加・更新を関係者が自動で受け取ることができるため、担当者が個別に連絡を入れる手間を省くことができます。

また、協力会社へのデータ共有は共有リンク、またはファイルリクエストに統一し、メールへのファイル添付を原則禁止にする運用にすることで、情報の流出経路を管理コンソールで一元的にコントロールできるようになります。
「どこから・誰に・何を共有しているか」が常に把握できる状態を維持することが、製造業における情報管理の基本です。

リアルタイム同期で常に最新のCADデータを全員が参照する方法

Dropboxの「差分同期」機能は、製造業のCADデータ管理において特に効果を発揮します。
数百MBのDWGファイルを一部修正して上書き保存した場合でも、同期されるのは変更箇所のみのため、ファイル全体を再アップロードする他社サービスと比べて同期時間を大幅に短縮できます。
設計変更が頻繁に発生する製造現場では、常に最新図面をチーム全員が参照できる状態を維持しやすくなります。

加えて、「LAN経由での同期」機能を活用することで、同一社内ネットワーク上のデバイス間ではインターネットを経由せずに直接データをやり取りできるため、大容量ファイルの社内転送もスムーズです。
万が一、誤操作や意図しないファイルの上書きが発生した場合でも、「バージョン履歴」機能※3や「Dropbox Rewind」※4を使うことでファイルや環境を特定の時点まで巻き戻すことができます。
過去バージョンの復元が必要になる場面が多い設計業務において、強力なセーフティネットとして機能します。

※3 バージョン履歴:保存したファイルの過去の変更履歴(いつ、誰が、どのように編集したか)を追跡し、誤った上書きや編集内容を過去の時点まで戻して復元できる機能です。

※4 Dropbox Rewind:アカウントやフォルダ全体を過去の特定の時点に戻せる機能です(Standardは180日、Advanced以上は1年間まで)。

DWGファイルのプレビュー機能でCADを持たない担当者とも共有する

DropboxはDWGファイルをブラウザ上でプレビュー表示できるため、CADソフトを持たない生産管理・品質管理・営業担当者でも図面の内容を確認できます。
「設計部門以外の人間が図面を確認するためだけにCADソフトのライセンスを契約する」という無駄なコストを省くことができます。
なお、Dropboxではプレビュー可能なファイル形式とサイズの制限、プランが決まっています。
例えば、.dwgの場合はファイルサイズは100mbまでプレビュー可能で、Standard、Advanced、Enterpriseプランでご利用いただけます。

また、現場写真・検査記録・仕様書PDFを図面と同じフォルダに格納しておくことで、関連資料を一括で参照でき、確認作業の効率が大幅に向上します。
社外の担当者に対しては、共有設定を活用することで、編集を制限した閲覧中心の安全な図面の共有運用が可能です。

まとめ

製造業における大容量CADデータ・写真の共有・管理は、従来のメール添付やNASだけでは対応に限界があります。
Dropboxを活用することで、協力会社へのファイル共有のスムーズ化、差分同期による常時最新データの維持、バージョン履歴による誤操作への対応、CADソフトなしでの図面プレビューなど、製造業の現場が抱える課題を包括的に解消できます。

AutoCADをはじめとする主要CADソフトとの連携により、既存の設計環境を変えることなく導入できる点も、製造業においてDropboxが選ばれる大きな理由のひとつです。
設計から生産管理・品質管理まで、部門をまたいだデータ活用の仕組みを整えるために、ぜひDropboxの導入をご検討ください。

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SB C&S株式会社内SaaS専門チーム「Cloud Service Concierge」が記事の執筆や監修を進めています。ブログ記事は、SaaSの基礎知識やSaaS製品の選定ポイントなどを中心に情報を発信しています。
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