クラウドPBXとは? 導入メリットとサービス選定時の注意点
近年、シェアオフィスやコワーキングスペースの普及、ワーケーションなど新たな働き方の発展により、働く場所をオフィスに限定しないテレワークが広がりを見せています。
『テレワーク総合ポータルサイト』では、テレワークの効果として、業務生産性の向上や新規雇用、離職防止など従業員満足度に関わる効果も期待できるとされています。このことからも、テレワーク環境の整備は今後も一層重要視されると考えられます。
一方で、テレワークの実施にあたっては、コミュニケーションツールやリモートアクセスツール、ペーパーレス化ツールなどのさまざまなICTツールの導入が必要です。
「現在のツールに不便を感じている」「テレワークを導入したいが、どのツールを選べばいいか分からない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、“コミュニケーションツール”に焦点をあて、テレワーク環境下のコミュニケーションを支えるICTツールの一つ、クラウドPBXについて解説します。
出典:テレワーク総合ポータルサイト『テレワークの効果・効用』『テレワークの導入方法』
目次[非表示]
- 1.クラウドPBXとは? オンプレミス型PBXとの違い
- 2.クラウドPBXを導入するメリット
- 2.1.①スピーディーに電話環境を構築できる
- 2.2.②初期費用・通話料金を削減できる
- 2.3.③場所にとらわれない働き方を実現できる
- 3.クラウドPBXを導入する際の注意点
- 3.1.①音声の品質は安定しているか
- 3.2.②障害時に事業継続できるか
- 4.まとめ
クラウドPBXとは? オンプレミス型PBXとの違い
クラウドPBXとは、PBX(Private Branch Exchange:電話交換機)の仕組みを仮想上に構築した電話サービスの総称です。
そもそもPBXとは、内線・外線の接続を制御するためのシステムを指します。ビジネスシーンで活用されている、内線通話や取り次ぎといった機能は、このPBXが制御することによってはじめて使えるようになります。
クラウドPBXが登場する以前は、電話回線を契約して、オンプレミス型PBXを社内の一角に設置して電話環境を整備する方法が主流でした。
一方、クラウドPBXは、仮想上(クラウド上)に構築されたPBXを活用するため、機器を物理的に設置する必要がありません。インターネット回線さえつながっていれば、電話回線の工事も不要です。
▼クラウドPBXとオンプレミス型PBXの比較表
クラウドPBX |
オンプレミス型PBX |
|
PBX設置 |
不要 |
必要 |
設置工事 |
不要 |
必要(専門会社に依頼) |
使用回線 |
インターネット回線 |
電話回線 |
使用機器 |
パソコン(ソフトフォン)・スマートフォン・タブレットなど |
卓上型電話機 |
また、オンプレミス型PBXの場合、内線通話は社内の電話ネットワーク上に限定されますが、クラウドPBXはインターネット環境下であれば、どこでも内線通話ができます。
クラウドPBXを導入するメリット
クラウドPBXには次の3つのメリットがあります。
①スピーディーに電話環境を構築できる
1つ目は、電話環境を構築する速さです。
物理的な機器の設置工事が不要なため、その分の期間を短縮できます。
利用するサービスによって異なりますが、一般的にはサービスの利用申し込み後、最短1~2週間で利用を開始することが可能です。
②初期費用・通話料金を削減できる
次に、初期費用や通話料金が削減できるという点です。
クラウドPBXの場合、PBX本体の購入・リース費用や設置工事費が不要になります。また、パソコンや私用のスマートフォンでの電話応対が可能になるため、社用スマートフォンあるいは電話機の購入費用も削減できます。運用コストも、国内外問わず通話料金を抑えられます。
さらに、PBXは物理機器のため耐用年数に制限があります。この年数を超過した際にはメンテナンスや入れ替えなどを検討する必要がありますが、クラウドPBXの場合はこうした対応も不要です。
なお、会社の固定電話にかかる費用を安くしたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
③場所にとらわれない働き方を実現できる
最後に、場所にとらわれない働き方を実現できるという点です。
クラウドPBXの場合は、インターネット環境下で、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスがあれば、社内外問わず電話対応が可能になります。これまで固定電話の受発信が必要だった企業でも、テレワークを導入しやすくなると考えられます。
なお、こちらの記事では、受電対応の効率化に向けて、会社の固定電話を転送する方法を解説しています。
クラウドPBXを導入する際の注意点
クラウドPBXは、前述したメリットがある一方、導入の際には2つの点に注意します。
①音声の品質は安定しているか
1つ目は音声品質の高さです。
クラウドPBXは、インターネットの通信環境に左右されやすいため、「音声が聞こえにくい」「通話中に途切れる」などの問題が起こることもあります。
「導入してみたものの品質がよくない」というトラブルを防止するためには、導入前に一度トライアルを実施してみることもおすすめです。
なお、Zoom認定ディストリビューターのSB C&S株式会社では『Zoom Phone』のトライアルを承っています。詳しくは、こちらからお問い合わせください。
②障害時に事業継続できるか
もう1つは、自然災害や通信障害が起きた際に事業継続が可能か、復旧の速さという点も重要です。
何らかの障害によってインターネット接続が遮断されてしまった場合、インターネット通信を利用するクラウドPBXも当然使用できなくなります。
社内のコミュニケーションや顧客との連絡が滞ることにより、事業継続が困難になる可能性も考えられます。BCP(※)対策の強化を検討するうえでは、損害を最小限に抑え、早期復旧ができるサービスを選定することが重要です。
なお、早期復旧を実現するサービスをお探しの方はこちらをご参照ください。
※BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、自然災害やテロ攻撃などの緊急事態において、事業資産の損害を最小限に抑えながら、事業を継続するための方法を決めた計画のこと。
出典:中小企業庁『BCP(事業継続計画)とは』
まとめ
この記事では、クラウドPBXについて以下の内容を解説しました。
- クラウドPBXとは
- クラウドPBXの導入メリット
- クラウドPBXを導入する際の注意点
クラウドPBXを利用すれば、物理的な機器の設置工事が不要で、インターネット環境下であればどこにいても電話の受発信が可能です。クラウドPBXサービスを選定する際は、高品質の音声を安定して提供できる、緊急時に早期復旧ができるといった点に着目して、比較検討してみてはいかがでしょうか。
クラウド電話サービス『Zoom Phone』は、審査をクリアして、『Zoom Phone認定インテグレーター』として認定を受けた企業のみが販売を許可されています。認定審査には、過去のVoIP導入に対する顧客の推薦コメントの提出や、各業務のトレーニング、Zoomへのデモ実演などがあり、クリアできた企業は日本国内で10社程度にとどまります。(2023年3月現在)
導入をご検討の際は、ぜひ、Zoom認定ディストリビューターのSB C&S株式会社にご相談ください。
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