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ランサムウェアとは?Dropboxのランサムウェア対策をご紹介!

ランサムウェアによる被害は、業種や企業規模を問わず深刻化しています。感染すると業務システムが停止し、復旧までに数週間から数ヶ月を要するケースも珍しくありません。しかし、対策すべき範囲は「予防」だけではありません。バックアップ運用の見直し、感染後の初動対応、事業継続計画(BCP)まで含めた包括的な備えが企業には求められています。

本記事では、ランサムウェアの最新動向から、ファイルサーバー運用のリスク、Dropboxを活用した具体的な対策・復旧手順までを解説します。 

目次[非表示]

  1. ランサムウェアとは
    1. ランサムウェアの定義と仕組み
    2. 最近の攻撃手口の変化
    3. ランサムウェア被害の実態
  2. ファイルサーバーによるバックアップのリスク
    1. ファイルサーバーやNAS運用が抱えるランサムウェアリスク
    2. バックアップ運用の課題  
    3. クラウドストレージ活用による事業継続対策(BCP)
  3. Dropboxの具体的なランサムウェア対策
    1. バージョン履歴と復元機能
    2. Dropbox Rewind機能
    3. データ暗号化
    4. 遠隔操作でのログアウト
    5. セキュリティアラート
    6. ランサムウェア検出
  4. 感染後の復旧対応で取るべき初動
    1. 感染発覚時の初動対応
    2. 復号ツールの活用と被害回復
    3. Dropboxを活用した業務復旧の進め方
  5. まとめ

ランサムウェアとは

情報システム部門にとって、ランサムウェアは今や最優先で対処すべきサイバー脅威です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威2026」(2026年1月発表)※1では、「ランサム攻撃による被害」が組織向け脅威の第1位に選出されており、6年連続で首位を維持しています。被害は大企業にとどまらず、中小企業や公共機関にまで広がっており、自社が標的になりうるという前提で対策を講じることが重要です。

※1 「情報セキュリティ10大脅威 2026」|情報処理推進機構 より引用

ランサムウェアの定義と仕組み

警察庁の定義※2によると、ランサムウェアとは次のような状態であると説明されています。 

ランサムウェアとは、感染するとパソコン等に保存されているデータを暗号化して使用できない状態にした上で、そのデータを復号する対価(金銭や暗号資産)を要求する不正プログラムです。

感染経路はメールの添付ファイルやURLクリックに限らず、VPN機器の脆弱性を狙ったネットワーク侵入が近年の主流となっており、企業のリモートアクセス環境が攻撃の入口になるリスクが高まっています。感染後は端末だけでなく、ネットワーク上の共有フォルダやバックアップデータにまで暗号化が及ぶことがあり、業務全体が停止する深刻な被害につながります。

※2 「ランサムウェア被害防止対策」|警察庁より引用

最近の攻撃手口の変化

前述の警察庁の発表によれば、VPN機器をはじめとするネットワーク機器の脆弱性を狙って侵入する手口が多く確認されており、テレワーク環境の普及とともにリスクが拡大しています。

また、データを暗号化するだけでなく、事前にデータを窃取した上で「対価を支払わなければデータを公開する」と脅迫する「二重恐喝(ダブルエクストーション)」の手口が広く使われるようになっています。さらに、ランサムウェアを使わずにデータのみを窃取して対価を要求する「ノーウェアランサム」と呼ばれる新たな手口も確認されており、暗号化被害がなくても情報漏えいリスクにさらされる状況が生まれています。

ランサムウェア被害の実態

2025年4月には、国内物流企業がランサムウェア攻撃を受け、基幹システムに影響が生じたことで、貨物輸送や関連業務に大きな支障が発生しました。航空貨物の輸送にも影響が及び、復旧まで一定期間を要したことから、ランサムウェア被害が事業継続に直結するリスクであることが改めて示されました。 

警察庁の統計では、令和7年上半期は116件で半期ベースでは過去最多水準。また、令和7年通年でも上半期116件、下半期110件と高い水準で推移しており、継続的な警戒が必要です。 情報システム部門は、自社の規模にかかわらず対策強化が急務です。

ファイルサーバーによるバックアップのリスク

ランサムウェア対策を考えるとき、見落とされがちなのがファイルサーバーやNASの運用リスクです。社内ネットワークに接続されたストレージは、一度侵入を許すと被害の起点となり、バックアップまで含めて暗号化される事態も現実に起きています。

クラウドストレージへの移行を検討する前に、まず現在の運用に潜むリスクを正確に把握することが重要です。

ファイルサーバーやNAS運用が抱えるランサムウェアリスク

社内ネットワークに常時接続されたファイルサーバーやNASは、端末が感染した際に暗号化の対象となりやすく、共有フォルダ内のデータが一括で失われるリスクがあります。ランサムウェアはネットワーク内を横断的に拡散する性質を持つため、一台の端末の感染が社内全体の共有データに影響を及ぼし、業務停止の規模が拡大する要因となります。

アクセス権限の管理が不十分なファイルサーバーでは、攻撃者に侵入された際、広範囲のファイルへアクセスされるおそれがあり、被害範囲のコントロールが難しくなります。情報システム部門としては、ファイルサーバーやNASをネットワークに常時接続したまま運用する場合、アクセス権限やバックアップ、復旧手順まで含めて見直すことが重要です。

バックアップ運用の課題  

警察庁は、ランサムウェアによってバックアップデータやログまで暗号化される事例があるとして、バックアップやログをこまめに取得し、ネットワークから切り離してオフラインで保存することを推奨しています。

定期的にバックアップを取得していても、保存先がネットワーク上のドライブや同一サーバーである場合、感染拡大とともにバックアップまで暗号化されるおそれがあります。その結果、いざという時にバックアップが復旧手段として機能しないケースも考えられます。

そのため、情報システム部門には、バックアップを取得するだけでなく、保存先や復旧手順まで含めたバックアップ体制の見直しが求められます。

クラウドストレージ活用による事業継続対策(BCP)

Dropboxのように、バージョン履歴や削除ファイルの復元機能を備えたクラウドストレージを活用すれば、感染後の復旧手段を確保しやすくなります 。

拠点やデバイスに依存しないアクセス環境を確保できるため、オフィスのサーバーが停止した状況でも業務継続の体制を維持でき、BCPの観点からも有効な選択肢となります。感染被害を受けたとしても、クラウド上のバージョン履歴や管理者によるリモート操作機能を活用することで、業務データの保護と早期復旧への対応力を高められます。

Dropboxの具体的なランサムウェア対策

Dropboxは、ファイル共有や同期機能にとどまらず、ランサムウェア対策に直結する複数のセキュリティ機能を備えています。感染時のデータ保護から感染後の復旧まで、運用上で頼れる機能を具体的に紹介します。

バージョン履歴と復元機能

Dropboxでは、ファイルの変更履歴をバージョン履歴として一定期間保持できます。ランサムウェアによってファイルが暗号化・改変された場合でも、影響を受けたファイルを過去のバージョンに戻すことで、感染前の状態へ復元できる可能性があります。

バージョン履歴の保存期間はプランによって異なり、Standardプランでは180日間、Advancedプランでは1年間保持されます。影響範囲が一部のファイルに限られる場合はバージョン履歴、大量のファイルやフォルダをまとめて戻したい場合はDropbox Rewindを活用するなど、被害範囲に応じた復元方法を選ぶことが重要です。 

Dropbox Rewind機能

Dropbox Rewindは、アカウント全体の状態を過去の特定の時点まで戻すことができます。 ランサムウェアによる大規模な暗号化被害が発生した際に、個別復元では対応しきれない状況でも一括復旧の手段として活用できます。

Standardプランでは180日前、Advancedプランでは1年前まで遡って巻き戻しが可能であり、感染日時が特定できれば、その直前の状態に迅速に戻す操作を管理コンソールから実施できます。Rewind機能はファイルの削除や変更も元に戻すことができるため、ランサムウェアだけでなく、誤って操作を行ってしまった際にもデータを復元することができる有効な機能です。 

データ暗号化

Dropboxは転送中のデータをTLS(Transport Layer Security)で保護し、保存データはAES 256ビット暗号化を採用しているため、ファイルがインターネットを通じて送信される際にデータが暗号化され、第三者による不正なアクセスを防ぎます。 

暗号化キーの管理はDropboxが担っており、万が一ストレージへの不正アクセスが試みられた場合でも、データが平文で読み取られるリスクを低減する仕組みが整っています。外部との共有ファイルについても同様の暗号化が適用されるため、社内外を問わないセキュアなファイルのやり取り体制を整えられます。

遠隔操作でのログアウト

Dropboxの管理コンソールから、特定の端末やユーザーアカウントを遠隔操作でログアウトさせる機能があり、感染が疑われる端末をDropboxから切り離す初動対応を素早く実施できます。退職者や不審なアクセスが確認されたアカウントを即座に無効化できるため、感染拡大の経路となりうるアカウントへの対処を管理者が一元的に管理できます。デバイス単位での管理が可能なため、感染端末を特定した上でその端末のみDropboxアクセスを遮断し、他のデバイスやユーザーへの影響を最小限に抑える運用体制を整えられます。

セキュリティアラート

Dropboxでは、不審なログインや異常なファイル操作が検出された際に管理者へアラートを通知する機能があるため、ランサムウェア感染の初期兆候を早期に把握する体制を整えられます。セキュリティアラートは、アカウントに不審な動きやリスクのあるアクティビティが検出された場合に、管理者に電子メールで通知が送られます。

 通常とは異なる大量のファイル変更や削除といった不審な操作をシステムが検知した場合に管理者へ通知が届くため、感染が拡大する前に対処行動を取れる可能性が高まります。アラートの履歴はログとして管理コンソールに記録されるため、感染後の原因調査における証跡として活用することも可能です。

ランサムウェア検出

Advanced、Business Plus、Enterprise、またはStandard/Business+セキュリティアドオン等では、ランサムウェアの疑いのあるアクティビティを早期に検出することができ、ランサムウェアの疑いが検出されると管理者に電子メールで通知が送られます。 検出後はDropboxの管理コンソールから影響ファイルの確認と復元操作を行えるため、感染を検知してから復旧着手までの時間を短縮できる体制を整えられます。この機能によって、感染の発覚が遅れた場合でも暗号化されたファイルの範囲を可視化した上で復旧作業に入れるため、情報システム部門の初動対応を支援します。

【マンガで解説 】  もうやめませんか?メール添付にパスワード送信 - Dropbox で始める「脱 PPAP」-

感染後の復旧対応で取るべき初動

ランサムウェアに感染した際、情報システム部門が最初の数時間にどう動くかが、被害の拡大を左右します。感染が疑われた時点から復旧完了までの流れを、警察庁の推奨手順とDropboxの機能を組み合わせて解説します。

感染発覚時の初動対応

警察庁の発表によると、感染が確認された場合、まず感染したパソコン等のLANケーブルを抜くなどしてネットワークから隔離することを最初の対処としています。これは、感染拡大を防ぐための即時隔離が最優先の行動です。

隔離の際、パソコンやネットワーク機器の電源を落とすと感染原因の調査に必要なログが消失する可能性があるため、電源を入れたままネットワーク接続のみを遮断することが推奨されています。ネットワーク隔離後は、最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口への通報や相談、感染原因の調査、VPN機器等の脆弱性対策、パスワード変更という手順で対応を進めてください。

復号ツールの活用と被害回復

警察庁は「No More Ransom」プロジェクト※3のウェブサイトで一部のランサムウェアに対応した復号ツールが公開されていることを案内しており、感染したランサムウェアの種別を特定した上で復号ツールの利用を検討することが被害回復の第一歩になります。

また、警察庁サイバー警察局は独自に復号ツールの開発も行っており、LockBitにより暗号化されたファイルへの対応ツール(2024年2月公表)およびPhobos/8Baseに対応した復号ツール(2025年7月公表)が公開されています。復号ツールで対応できないケースでは、Dropboxのバージョン履歴やRewind機能による復元が有効な手段となります。身代金の支払いは警察庁も推奨しておらず、復号ツールや事前に確保したバックアップを活用した復旧を基本方針とすることが重要です。

※3 NO MORE RANSOM:ランサムウェア被害の予防と復旧支援を目的とした国際プロジェクト。各種ランサムウェアに対応した復号ツールを無償で公開している。 

Dropboxを活用した業務復旧の進め方

ランサムウェアの感染日時が特定できた場合、Dropbox RewindでDropbox上のファイルやフォルダをその直前の状態に巻き戻すことで、暗号化される前のデータを一括復元できます。Standardプランでは180日前、Advancedプランでは1年前まで遡ることが可能なため、感染から発覚までタイムラグがあった場合でも復旧の選択肢を確保できます。

感染範囲が一部のファイルにとどまる場合は、バージョン履歴機能を使って特定のファイルを過去の状態に戻す方法が有効です。一方で、大量のファイル変更やフォルダ単位での復旧が必要な場合は、Dropbox Rewindを活用することで、影響範囲に応じた復旧を進めやすくなります  。

Dropboxはデバイスを問わずアクセスできるクラウド環境のため、感染端末を隔離した状態でも別のデバイスから業務データへのアクセスと作業継続が可能であり、業務再開までのダウンタイムを短縮する体制を整えられます。

関連ブログ①:サプライチェーンセキュリティ評価制度(SCS評価制度)とは?

まとめ

ランサムウェア対策は、感染を防ぐ予防だけを指すものではありません。感染を素早く検知し、被害を最小化しながら復旧し、業務を止めないBCPの体制まで含めて初めて、実効性のある対策といえます。

近年は、ランサムウェア対策をきっかけに、バックアップ運用だけでなく、ファイルサーバー運用やNAS運用、外部共有管理や権限管理まで含めて見直す企業様も増えています。

特にファイルサーバーやNASの更改タイミングは、単なる機器更新ではなく、復旧体制や事業継続(BCP)を含めたファイル基盤全体を見直す機会になります。ランサムウェア対策として何を導入するかだけでなく、自社のファイル共有環境や復旧体制が今のままで十分かという視点で見直してみることも重要です。

Dropboxは、バージョン履歴やRewindをはじめとしたランサムウェア検出や遠隔ログアウトなど、予防から復旧までを支えるセキュリティ機能を備えており、情報システム部門がランサムウェア対策の基盤として活用できるクラウドストレージです。ファイルサーバーやNAS運用の見直しをご検討中の企業様はぜひご相談ください。

ファイルサーバー・NAS運用、そろそろ見直しませんか?|Dropbox相談センター

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